FORZA STYLE 編集長 兼 ファッションディレクター
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。 スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする小誌編集長。1973年、東京生まれ。
コロナ禍でしばらくドレスアップしてないなと思ったら無性にスーツが着たくなり、今回から5連チャンで春先にオーダーしたカシミアスーツの着こなしを紹介することにしました。これは同時に、僕が現時点で“これさえあれば!”と考える3着のスーツの可能性を探求するチャレンジ企画でもあります。正統派の装いから、ちょっと遊びを入れたスタイルまで、頭を振り絞って提案しますので しばしお付き合いくださいませ!
アイテム
スーツ(オーダー)/ブリッラ ペル グル イスト
シャツ/アルコディオ
ネクタイ/ブルネロ クチネリ
チーフ/ムンガイ
サングラス/レイバン
ベルト/ジョンロブ
リング/フィクサー
時計/ヴァシュロン コンスタンタン
ソックス/グレン・クライド
靴/ラルフ ローレン パープル レーベル(クロケット&ジョーンズ)
ビームスでブリッラ ベル グル イストのディレクターを務める無藤和彦さんは、僕のお洒落の師匠のひとり。いや、お洒落だけではなく、どんな所作が美しいのか、色気とは何か、男の美学とは何かなど、ことあるごとに教えを乞うていた身としては、もはや人生の師匠といっても過言ではありません。
そんな無藤さんのすすめもあり、カシミアスーツはビームスで過去3度オーダー。初代は『LEON』創刊時に伊カルロ・バルベラ社のネイビーストライプの生地で誂えたのですが、あまりに気に入ってしまいイタリア出張中にお尻が裂けて、二度もお直ししたのはすでにご報告の通り。そのへんのディテールは割愛しますが、以来、カシミアスーツは自分にとって大一番のときに身に着ける勝負服としてなくてはならないものになっています。
2代目はその5年後、同じバルベラ社のネイビーのピンチェック生地で、そして3代目は『FORZA STYLE』創刊時に英バウアー・ローバック社のネイビーと、グレーに、ほんの少し明るめのストライプが入った生地でつくりました。そう考えると、実に感慨深いことに、人生の節目節目でオーダーしているんですよね。というのも、カシミアスーツを着ているときは、物事が上手く運ぶ気がするんです。一種の願掛けのようなものかもしれませんが……。
で、もはや自分にとっては、なくてはならないものだということがわかったので、今回はまとめて3着オーダー。価格はそれなりにしますが、ここ一番のときに自分を鼓舞してくれる存在であることから、明日の自分への投資と考えました。現時点で、僕にとって“これさえあれば”どんな場面でも通用するというスーツは、ネイビー無地、グレーのダブル、そして少しモードな気分を取り入れたブラックの3着。最初は、基本中の基本、ネイビー無地から紹介します(前置き長いですねw)。
ジャケット単品としても着られるからという無藤さんのアドバイスがあり、僕にしては珍しく気持ち明るめのトーンを選びました(後の回に出てきますが、スーツをバラして着こなすのを前提にオーダーしています)。確かに、濃いネイビーはたくさんもっていますが、こういうことは他人から言ってもらわないと、ついつい同じようなものを買ってしまいますからね。腰ポケットをパッチ式にしたのも、そのアドバイスがあったからです。
組み合わせに関しては、まったく奇をてらうことのない王道とでも申しましょうか。実は、無藤さんにどう着こなしたらいいのか相談したんですよ。そしたら「スーツ自体に存在感や高級感。気品があるから、余計なことはせずにまずはフツーに着こなすのがいいんじゃない」という回答でした。何も足さない、何も引かない。無藤さんの持論は、フツーのものを着ていて色っぽいのが一番カッコいいというもの。無藤イズムは僕のなかでも生きているのです。
というわけで、ごくベーシックな白シャツにネイビーのソリッドタイ、黒のストレートチップで英国的なスタイルに仕上げてみました。見た目はオーソドックスですが、女性が腕に手をまわした途端、腰砕けになるほど手触りがいい! それが洒脱なエロだと思うんですよ。
そうそう、オーダースーツを受け取った際、無藤さんからスーツと共地のネクタイをいただいたんです。ガチのサプライズで、本当泣きそうでした。日常の場面では、少し贅沢過ぎるかもしれませんが、貴族趣味っぽくてパーティなどの晴れの舞台にしたら、めちゃくちゃオーラを放ってくれそうです。ああ、みんなで集まれるパーティがしたいですね……。
今回のスタイルのキモは……。
Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
【エロサバ】-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。
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