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FASHION 僕が捨てなかった服

【70年代のアンダーソン&シェパード】生地もディテールも普通なのに恐ろしくカッコいい!

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

これぞスーツ の集大成! 終着点のような感じ

洋品、車、ワインで、それぞれ家一軒分ほど散財するという趣味が高じて、2019年東京・人形町にヴィンテージショップ「Tango245」を開店した結城恵介さん。

膨大な数の服を所有してきた結城さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第5回目は、アンダーソン&シェパードのビスポークスーツです。

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サヴィルロウを代表する仕立て屋といえば、ハンツマン、ヘンリープール、アンダーソン&シェパードかと思います。日本人にはアンダーソン&シェパードが柔らかくてなんとなく着やすいというイメージがあり、自分もまずはここと、ヘンリープールにビスポークをお願いしました。。

しかし、アンダーソン&シェパードの完成品は、「えっ?」という出来のスーツで、「イングリッシュ・ドレープは…?」と涙目で嘆いてしまうほどでした。

柔らかいと言っても、それまではクラシコのスーツを着ていたので、「比べると、こんなもんか?」「一見だから甘く見られたのか?」「自分には良さが分からないのか?」などネガティブな思いがこみ上げてきました。同時に仕立てたヘンリープールのスーツの出来が良かっただけになおさらだったのです。

後日、アンダーソン&シェパードで仕立てたことのある方々に聞いてみると、皆さんも同じような感想をお持ちで、なんだか嬉しいやら悲しいやら、複雑な思いになったのでした。

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それを機にアンダーソン&シェパードとは距離を置くことになるのですが…、あるとき ほぼデッドストックの60〜70年代のジャケットを2着羽織る機会に恵まれることになるのです。

苦い思い出があったので、あまり期待はしていなかったのですが、袖を通して驚きました! 自分がビスポークしたワケでもないし、サイズも合っていません。生地もディテールも至って普通なのです。

それなのに カッコいい! しかも楽で、優しい着心地。スーツの集大成、ある意味 終着点のような気がしました。「これが、イングリッシュ・ドレープか」と。

これがもし、自分のサイズだったら、と考えただけで、凄すぎです。

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自分がビスポークしたアンダーソン&シェパードを捨てることがあっても、こちらは捨てない自信があります。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka

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結城恵介
ヴィンテージショップ、Tango245店主
DCブランドや英国物、イタリアンブランド、クラシコイタリア等の荒波にもまれながら、会社員時代、出張にかこつけてビスポーク、スミズーラを巡る旅に年数回出るまでに。その趣味が高じて2019年ヴィンテージショップを開店。欧州の銘品、逸品を販売する一方で、日本の若い職人と組んだ別注品も手掛け、海外展開を計画。散財額は、洋品、車、ワインそれぞれで 家一軒分? モットーは「迷ったら全部買う」



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