ライオンの子、新型プジョー208は侮りがたし!
プジョーの小型ハッチバッグである新型208がついに日本上陸。正式発表が昨年のジュネーブモーターショーでしたから随分と待たされた感もあり、心待ちにしていた方も多いのではと思います。
新型208には、1.2リッターのターボエンジン搭載車と、e-208という50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載したEVがあります。人気輸入車の後継モデルがEVでも乗れるのですからコレは注目。ちなみに新型208はヨーロッパのカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。次点はあのテスラ・モデル3なのですから大したものです。
さらに栄誉を加えれば、新型208はドイツ・エッセンにあるノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンターが主催するレッドドット・デザインアワードも受賞。この賞はデザインの多様性を評価するもので1954年から開催されています。
ニュースにあふれた新型208ですが、早速、日本仕様のスペックと価格を見てみましょう。また、オンライン発表会の模様もリンクしておきますので是非ご覧ください。
【NEW PEUGEOT 208/e-208 オンライン発表会】
【New Peugeot 208】
ボディサイズ:全長4,095×全幅1,745×全高1,445(GT Line 1,465)mm
ホイールベース:2,540mm
最低地上高:145mm
車両重量:1,160(GT Line 1,170・パノラミックガラスルーフ装着車1,180)kg
エンジン:1.2リッター直列3気筒ターボ(ガソリン)
最高出力:74kW(100ps) / 5,500rpm
最大トルク:205Nm / 1,750rpm
トランスミッション:8速AT
タイヤサイズ:195/55R16(GT Line 205/45R17)
価格(税込):208 Style 239万9,000円(受注生産車、ファブリックシート採用)
208 Allure 259万9,000円(ファブリック&テップレザーシート採用)
208 GT Line 293万円(アルカンタラ&テップレザーシート採用)
※GT Lineオプション……パノラミックガラスルーフ 10万2,000円
いまのところ併売中の先代モデルの208は、ボディサイズが全長3,975mm×全幅1,740mm×全高1,470mm、ホイールベースが2,540mmです。全長で+120mmというデータが一番大きく印象を左右しますが、味わいという志向的部分では甲乙つけがたいと感じます。
新型208のガソリンエンジン搭載車は3つのモデルがあり、その違いはシート表皮のマテリアルが違うことと、GTラインのみ開放的なパノラミックガラスルーフをオプション設定していること。さて、どれを選びましょうか。
スポーティな走りを求めるならGTラインと思われるでしょうが、新型208はフルモデルチェンジということもあり、サスペンションの味付けがそもそも硬めです。いわゆる従来の“猫足”と呼ばれるライド感は希薄だと感じるでしょう。
この点をいろいろと考えてみました。クルマは走行中、常に揺れているのですが、じつはこの動きをビシッと抑えると燃費が伸びるのですが、そんな狙いがあるのかも知れませんね。よってベテランの方は、中間グレードであるボリュームゾーンのアリュールと比較試乗を行って(GTラインはシート形状も異なるので)結論を出すのが得策かも。
ちなみにワタシはファブリックのシート好きなので、少し納期が延びても受注生産のスタイルを選ぶかもしれません。このモデルだけヘッドライトがLEDではなく、エアコンもマニュアルですが、ベーシックな古き良き欧州コンパクトハッチバックの雰囲気が感じられれば魅力的。次にEV仕様をチェックします。
【New Peugeot e-208】
定格出力:57kW
最高出力:100kW(136ps) / 5,500rpm
最大トルク:260Nm / 300-3,674rpm
タイヤサイズ:Allure 195/55R16・GT Line 205/45R17
価格(税込):e-208 Allure 389万9,000円
e-208 GT Line 423万円
※GT Lineオプション……パノラミックガラスルーフ 10万2,000円
気になるバッテリーの保証内容は8年・16万キロ・容量70%以上というのがアウトラインです。充電はコンセント型、ウォールボックス型、そしてチャデモ急速充電に対応しますので、いまの日本で困ることはありません。また、スマートフォンとリンクして充電予約などもOK!
e-208はEVなので購入時の補助金も念頭に置きましょう。東京都の場合、令和2年度は30万円のサポートがあります。この点はセールススタッフの方が詳しいでしょうから、気になる方は見積をお願いしましょう。両モデルとも基本性能は等しく、価格差はガソリンモデルに準じた装備内容の差となります。
輸入車の勢力図はドイツ車が強く、ファッションではイタリアとイギリスというメンズの昨今ですが、フランス車は依然として個性的であり、プジョーなら国産車から乗り換えてもネットワークを含めて不自由することはありません。
新型208は装備を少し欲張ったとしても、ガソリン仕様のアリュールベースでリアルなコミコミ価格は300万円+α。安全装備のひとつであるレーンキープアシストは、車線内で右寄り・左寄りと設定可能な点もロングドライブ派には魅力となるでしょう。
Text:Seiichi Norishige
プジョー
■New Peugeot 208 - 2 Not Only a number