子どもっぽくならない洗練ダッド
第241回は、 ピエール アルディのスニーカーです。
フレンチスタイルに注目が集まる今春。スニーカー選びにおいても、フレンチを意識してみてはいかがでしょう。といっても、ご紹介するのはお定まりなローテクスニーカーじゃなく、ピエール アルディのモードな一足ですけどね。
1999年にスタートしたピエール アルディ。様々なメゾンでシューズデザイナーとして活躍してきたデザイナーのピエール アルディが生み出すスニーカーは、時にミニマル、時にコンテンポラリー、時にアーティスティックと、独自の世界観を楽しませてくれます。今でこそ、様々なブランドからデザイン性を高めたスニーカーが出ていますが、ピエール アルディはその先駆けと言えるでしょう。
例えば、上のストリートライフをご覧あれ。これは、1970年代に活躍したフュージョンバンドのザ・クルセイダーズの名曲『ストリートライフ』からインスピレーションを得たモデル。クラシックスタイルのアッパーやモノトーンのシンプルなカラーリングは、実にスタイリッシュです。それでいて、キューブをモチーフにしたここお馴染みのコメットソールが、存在感のあるダッドなフォルムを作り出します。ボリューミーなフォルムは時として子どもぽっく見えることがありますが、こんな一足ならあくまで大人顔で履きこなせます。
いわゆるコート系をベースにしたスライダー。パーツだけでなくステッチワークを最小限に抑えたデザインは、シューレースを廃したスリッポン仕立てにより、一層ミニマルな雰囲気を演出します。とはいえ、よく見ると細部の形状などにはここらしい一手あり。
これからの季節、このトレックコメットのアクティブなデザインは要注目。アッパーは、レザーとストレッチ性の高いナイロンをコンビ使い。アウトドアとスポーツを融合したギミック感のあるデザインが、男心をくすぐります。4cmの厚みのあるヒールが脚長効果も。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Masafumi Yasuoka
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ピエール アルディ 東京
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