太陽がいっぱい! ワニがいっぱい!
山のリゾート、海のリゾート……。リゾートといってもいろんなリゾートがありますが、それを私たちはカジュアルと言っています。でも実はカジュアルという言葉は略式という意味で、本来のスタイルがどういうものか、はっきりわかっていない方も多いのではないでしょうか。
ここで“クラススポーツスタイル”の表をご覧ください。 クラスというのは英国もしくはフランス、イタリアでも貴族階級というクラスの人たちの出で立ちです。クラススポーツというものはイギリスでは「貴族の暇つぶし」と言うそうです。 貴族の方々が暇をつぶすときに、そのスポーツごとにスタイルを作るのですね。
その中でも今日はスイミングやヨッティングといったサマーリゾートスタイル、夏のヨーロッパの方々のバカンススタイルについてお話ししていきます。
バカンスの中で不可欠なのが、やはりポロシャツです。
ビジネスでは白のシャツが定番であるように、ポロシャツはラコステのものが定番です。ポロシャツの中でもさまざまな色があり、それにプラスして水着を着たりパーカを着たり、カーディガンを着たりしますが、全部、軸足のアイテムはポロシャツです。
もちろん言うまでもなく、白のポロシャツがオールマイティにいろんなものに合います。このようなものを軸にしながら、さまざまなコーディネートを作っていくのがもっとも大事です。
ところで57〜58年前、まだ私が18、19歳のガキの頃に最初に見たアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(1960年)という映画があります。
サマーリゾートスタイル、特に海のスタイルはどのようなものが本格的でかっこいいのか、ということを学んだ最初の映画が実はこれでした。ですので私の今のサマーリゾートスタイルの原点は、この『太陽がいっぱい』にあります。皆さんもぜひDVDでご覧いただくと「なるほど、夏のスタイルというのはこうやるんだな」ということがお分かりになると思います。
で、夏のリゾートというと、当然、
海です。海といえば申し上げるまでもなく登場するのがまず海パンですね。
この夏の海のスタイルというものを制するには、トリコロール、すなわち 赤、白、紺。この三色でどうスタイルを作っていくかがポイントです。
ポロシャツというと半袖と思いきや、実はヨーロッパの人は長袖で、リブがだぶだぶになるくらいたくし上げて着るんです。意外にもこれが格好いいんですよ。
どうしても着たい色があるけれど、ラコステには無いという場合は、自分で染めてしまうというのもアリです。これは私が白いポロシャツを紅茶で染めたものです。約6時間くらい煮込んでやっとこの色になりました。
ポロシャツ以外に夏場にかっこいいのが、実はコットンのタートルネックです。ハイネックでもよいでしょう。
靴の色も、ポロシャツから拾っていきます。
少し注意なのが、気温です。ヨーロッパの場合は昼間はとても暑いのですが、夕方になると非常に寒くなります。そのようなときにさらっと羽織れるカーディガンがあるといいですね。
詳しくは動画で!
Video:Shingo TAKEDA
report:Mckee Makiguchi
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■赤峰幸生(あかみね・ゆきお)
ファッションディレクター、服飾文化研究家
主宰を務めるデザインカンパニー「Incontro(インコントロ)」は、イタリア語で「出会い」の意。大手百貨店やセレクトショップ、海外テキスタイルメーカーなどの企業戦略やコンセプトワーク、店舗運営などのコンサルティングを行う。2007年秋冬からは『真のドレスを求めたい男たちへ』をテーマに自作ブランド「Akamine Royal Line」を立ち上げ、パーソナルなスタイリング・アドバイスと注文服を仕立てるサービスを開始。その服作りを通じて、質実のある真の男のダンディズムを追求する。国内外の伝統文化を研究し、日本のトラディショナルが分かるファッション界の生き字引として、和魂洋装を体現しながら世界を舞台に活躍。2014年に社屋を神奈川県川崎市の自然に囲まれた立地に移転。「めだか荘」と命名して、企画の創造と発信、体感の場として活用している。1944年生まれ、東京都目黒区碑文谷出身。