イタリアオヤジはアメリカンなスニーカーが大好物!
第150回目は、サッカニーのジャズ ロー プロです。
ファッションのお手本はインスタグラマーなんていう若者もいますが、FORZA 世代にとっての指南番といえば、やっぱりイタリアオヤジでしょう。彼らが得意とするイタリアクラシコにアメカジを取り入れた上品なカジュアルスタイルは、まさにイケフォー(イケてる40男)のお手本です。
そんなイタリアオヤジが一堂に会するのが、イタリアのフィレンツェで年2回行われるメンズのファッション見本市「ピッティ・イマジネ・ウオモ」。我々メディアは彼らを隈なくチェックして、最旬の着こなしや注目のブランドをいち早く皆様にお届けしているわけです。ストールのミラノ巻きや、青と茶を合わせるアズーロエマローネ、スーツにスニーカーを合わせるなんていうスタイルも、発信源はピッティ・ウオモだったりしますからね。で、ピッティ・ウオモでスナップされるイタリアオヤジの足元でよく見かけるのが、今回紹介する「サッカニー」のスニーカーなんです。
サッカニーは、1898年に創業したアメリカ最古のアスレチックブランド。サッカニー川の畔に工場を構えていたことがブランド名の由来です。同ブランドが一躍有名になったのは1980年代。1972年にアメリカ人ランナーがミュンヘンオリンピックで金メダルを獲得したことで、アメリカでランニングブームが起こり、各ブランドがこぞってランニングシューズを発売。サッカニーも1980年に当時最軽量とされた「トレイナー80」を展開。そして翌年に今回紹介する「ジャズ」が誕生します。
今ではタウンユースとしてファッション通に愛される「ジャズ」も、元はランニングシューズ。しかも、ランニングシューズの批評で信頼されていた『ランナーズ・ワールド』誌で最高評価の5つ星を獲得した傑作シューズなのです。最大の特徴は、アウトソールのトライアングルパターン。トライアングル状のラバーを配することで、前進を促す仕組み。このアウトソールの形状は、現代のシューズにも応用されるほど画期的な発明で、傑作と評される所以です。
こちらの「ジャズ ロー プロ」は、クッション性と耐衝撃性に優れたミッドソールとトライアングルパターンのアウトソール機能はそのままに、ソール全体を薄底にモダナイズしたバージョン。スウェード✕ナイロンのアッパーデザインも20年前と変わらず。この80年代のレトロな雰囲気が、イタリアオヤジにも愛される理由でしょう。なにせ彼らは、アメリカンヴィンテージが大好きですから。
サッカニーのスニーカーは税込みでも1万円台というコストパフォーマンスの高さも魅力のひとつ。イタリアオヤジたちは高級なものばかり身につけているイメージですが、価格に惑わされずいいものを見つけるセンスの良さも見習いたいところですね。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Tomomi Nishihara
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サッカニー ジャパン
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