スニーカー以上ドレスシューズ未満がちょうどいい
第144回はクラークスのデザートブーツです。
スーツにスニーカーを合わせるのが当たり前になった昨今。もはやスニーカーは、ほとんどの場所で許されるほど市民権を得たといっていいでしょう。とはいえ、毎日スニーカーを履いているようでは大人の名折れ。取引先との打ち合わせや高級レストランなど、TPOに応じた装いが必要な場合もありますからね。そこでおすすめしたいのが、どんなシーンでも快適な足元を約束してくれるクラークスの「デザートブーツ」です。
1825年にイギリスで創業したクラークスは、サイラスとジェームスのクラーク兄弟がシープスキンのスリッパを手がけたのがはじまり。以降カジュアルシューズの製造を行っていた同ブランドですが、デザートブーツの大ヒットよって一躍人気シューズブランドになります。実はデザートブーツが発売された1949年当時は、本国イギリスではまったく相手にされなかったのだとか。それもそのはず、その頃はドレスシューズを履くことこそが紳士たる所以であり、子供靴に用いられていたステッチダウン製法による銀付きレザーを使用しないゴム底のシューズは、大人の靴としてはあり得なかったのです。ところがアメリカの展示会に出品してみると“使える靴”として大ブームに。このアメリカでの評判を受けて本国でも認知されるようになったのです。
デザートブーツは、当時イギリス軍に従軍していた創業者のひ孫ネーサン・クラークが、戦地で見かけた軍靴がベースとなっています。最大の特徴は、ご存知のように天然ゴムを原料としたクレープソール。合成ゴムにはない、天然ゴム由来の柔軟性と反発力があり、快適な履き心地をサポートしてくれます。またアッパーには上質なカウレザーのスエードを使用。ライニングがないため、革本来の柔らかさをダイレクトに感じることができます。
プレーンなデザインの上品なスエードアッパーはカジュアルだけでなく、ドレスな装いにもマッチ。それでいて履き心地はスニーカーのように楽ちん。耐久性にも優れているから、気軽にガシガシ履くこともできちゃう。こんな“使える靴”ってほかにありますでしょうか?
デザートブーツがどれくらい使えるかって言うと、ハイキングに出掛けて、出社して会議して、夜はレストランでデートするっていうエクストリームな1日もこの一足で事足ります。あ、でも靴の汚れはしっかり落としてくださいね。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Tomomi Nishihara
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