鍵が行方不明になることもなくなりました
さて、128回めは また戻って「エルメス(Hermès)」。レザーとシルバーがコンビになったキーホルダーです。
よく鍵って行方不明になりませんか? キーホルダー付けてても、カバンの中で どこかに消える…。シラフのときなら冷静に探せるんですが、酔って帰ってきたときなんかは最悪。まったく見つけ出せなくて玄関前でアタフタ。知らない人が見たら確実に不審者です(笑)。
そんな最悪な事態を避けるべく、若かりし頃はゴツいシルバーのウォレットチェーンなんてのも買って付けたりしていたんですが、大人になるにつれ着る服も変わり、仰々し過ぎて似合わなく感じる。
ユナイテッドアローズの重松さんみたいにスーツにクロムハーツもカッコいいんですが、あれは貫禄があってこそ。自分くらいの若造にはまだまだ早い。
ってなわけで、そこまで目立たず、でもベルトループに付けられてポケットに仕舞えるスティーロのキーホルダー探しに出掛けるわけです。
それで見つけたのは、メゾン・マルタン・マルジェラ。今回のエルメスのに似た形でレザーのコードが長めで、前のベルトループに引っ掛けるタイプ。結構使い勝手も良く重宝していたんですが、バックル部分の主張が強いのが だんだんと嫌になってきて 再度探す旅に。
長らく気に入ったのに出逢えなくて逡巡していたんですが、ある日いつものエルメスでズバなのに邂逅しちゃうわけです。となりゃ迷わず清水ダイブ!
ご覧の通り、レザーコードは短いのでサイドかお尻側のベルトループに引っ掛けて、ケツポケに入れるタイプなのでマルタンのほど主張もない。レザーはエルメスですから上質で、経年変化だって楽しめる。
さらに バックル部分はシルバー925と こだわりが満載。ピンを引っ張ると簡単に輪が開くので 酔っていたとしても取り外しに手間取ることもないです。いや激酔のときならあるか(笑)。
あとは 留めのステッチが 恒例の「よく見たら H」。計算ではないと思うんですが、このハンドクラフト感全開の可愛らしい"H"刺繍が らしくなくて惹かれてしまう。
だいぶ使い込んで革は味が出まくってますし シルバーは傷だらけなんですが、愛着が湧き過ぎて 次のを見つけられるのかが 今から既に不安。エルメスなので ステッチが飛んだり 革が切れてしまっても修理してくれるとは思うんですが 味の出たシルバーとピンピンの革が 果たしてマッチするのかどうか…。
まぁ なってから考えればイイんですが 転ばぬ先の杖的な買い物思考。これを こじらせっていうんだろうなぁ。
Photo:Naoto Otsubo
Text:Ryutaro Yanaka