FASHION ― 誰がアパレルを殺すのか

自分の働き方やスタイルを具現化する「UNBUILT TAKEO KIKUCHI」の新提案

2018.12.30 2018.12.30
2018.12.30

「24個のコンテナ」でのスタイリング提案

この連載でも最新のアパレルビジネスを度々取り上げているが、「アパレル業界のIT活用元年」として記憶される2018年の締めは、12月8日(土)に東京・渋谷に旗艦店をオープンしたばかりの新ブランド「UNBUILT TAKEO KIKUCHI(アンビルト タケオキクチ)」を紹介したい。

「アンビルト タケオキクチ」は、ワールドグループが再上場後初の新規事業で、ビジネスパーソンのライフスタイルに合わせたオーダーセットアップなどをD2C(Direct to Consumer)で提供する。

渋谷駅周辺の新しいビジネスエリアとして注目される新南口に今年9月に開業した渋谷ストリーム横にある『アンビルト タケオキクチ渋谷』で、事業を統括する屋号長の尾関修司さんにお話を伺った。

ビジネスマンの働くスタイルの不満を解消する新サービス

「スーツのオーダーメイド(ビスポーク)」は価格面を含めて敷居が高い印象があり、オーダーの目的も体型補正・サイズ対応という面が強かったが、ITを活用したオーダーサービスはそういう既成概念を覆して、“自由で早いオーダーメイド”の実現を様々な面からアプローチしている。

「アンビルト タケオキクチ」は、初回オーダー時は店頭で採寸を行い、スタッフのアドバイスのもと“着用シーンと好み”に合わせたカスタマイズを決めてオーダー。2回目以降は登録したサイズデータをもとにウェブサイトから注文することができる。

他社との差別化では、縫製は国内工場での一貫生産で、納期は最短10日間、受け取りは自宅配送か店頭が選べる。さらにユニークなのが、店内中央に置かれている「24個のコンテナ」でのスタイリング提案だ。

生地からではなく、シーンやイメージから選んでいくオーダー

――24個のコンテナには01から24までナンバリングがありますが、これは何を示している数字ですか。

尾関 他社のオーダーメイドでは、店頭でもウェブサイトでも「生地(色・柄)から選ぶ」ことが多いのですが、一般の方にはとてもハードルが高いと思います。私たちはまず、一人ひとりが働くスタイリングをイメージした上で、自分に合った新しいスタイルを選びやすいように、24個のコンテナに着こなし例をプリセットして、実物を見られるようにしました。

――確かに10cm四方の生地見本ではなかなかジャケットやパンツをイメージしづらいものです。実物を見られるのは大きなメリットですね。

尾関 24個のコンテナは、01が私たちの提案する“最旬のビジカジ”コーディネートで、そこから24に向かって徐々にドレスアップしていきます。01から順に見ていって、「自分が着たいスタイル」を見つけていただき、気に入ったらそのスタイリングをそのまま購入できますし、カスタマイズももちろん可能です。また、ウェブサイトでは10代から70代の8名のモデルが登場し、そのスタイリングも選べます。


コンテナのプリセットは春夏秋冬で変更され、シーズン提案が見られる

――つまり、生地からではなく、シーンやイメージからスタイリングを選ぶことができるわけですね。

尾関 いわゆる働き方改革や働き方の多様化は、「ビジネスのカジュアル化」です。今ビジネスマンが一番関心があるのは、自分にフィットするパーソナライズされたコーディネートだと思います。それをビジュアル化したのがコンテナのプリセットです。

――なるほど。単に新しい服をオーダーするという以上に、自分がどんな環境で働いていて、何を着ればちょうどいいかを見つめるきっかけにもなりますね。

尾関 お仕着せではなく、自分の働き方と装いを考えるきっかけにもしてほしいと思いますね。オフィスのカジュアルスタイルはしっかり提案していきます。


コンテナのプリセットが気に入ったら、QRコードでスタイルを読み取って表示する
国内生産、最速10日間、そして価格設定にあるバリュー

――来店から納品までのプロセスを教えてください。

尾関 まずホームページから来店予約をしていただきます。もちろんフリーでの来店も歓迎です。店内ではコンテナにあるプリセットを見ていただき、スタイルを選んでいただきます。ジャケットの素材は100種類ほど揃えていますので、ディテールなどのカスタマイズも含めた相談をスタッフとしていただきます。

――どれぐらいの選択肢があるのですか。

尾関 ジャケットは、肩パッドのありなしから、ラペルの形、ボタンの数、裏地の仕様と色など12カ所がカスタマイズ可能です。パンツも同様にタック、裾、クリース加工、ポケットの数などがカスタマイズできます。


ジャケット、パンツのセットアップの生地やシャツの襟型、生地も選べる

――仕様が決まったら、次に採寸ですね。

尾関 パターンオーダーなのでサイズゲージは7サイズ(XS~4L)をご用意しています。寸法調整をして仕上がり寸をデータ登録し、工場にデータを転送してオーダー完了となります。

――やはり「人の手による採寸」は大事なポイントですか。

尾関 フィッティングと採寸では、好みのフィット感やゆとりをどう出すかが一番のポイントになります。テクノロジーを使った実寸が分かっただけでは、最適な着心地は叶えられません。会話をしながら採寸して、さらに高い縫製技術があってはじめてフィット感が得られます。

――縫製工場はどこにありますか。

尾関 「TAKEO KIKUCHI」ブランドが20年来パターンオーダーの縫製をお願いしている青森・弘前にある工場での一貫生産になります。最短10日間でのお届けも、今の時代に合っているスピード感を実現しました。ワールドグループとして培ってきたモノを強みに、安心や信頼感をわかりやすいかたちで提供していきます。


ビジカジスタイルを完成させるスニーカーやバッグ、小物類をはじめ、オリジナルインナーやオフィスで使う文房具などの雑貨類も豊富に揃える
サイズ直しや衣料品保管などサービス面の強化に注力

――「アンビルト タケオキクチ」では付帯サービスもユニークですね。

尾関 パーソナルオーダーではカスタマーサポートも重要です。私たちはオーダー後の「半年間サイズ直し無料」や、シーズンオフに着ない服をお預かりする「ストレージサービス」(有料)も行っています。また、2019年春夏シーズンから、ビジネスや冠婚葬祭に必要なネクタイのレンタルサービスも開始する予定です。

――ブランド名についてですが、なぜ「UNBUILT」を頭に据えたのでしょうか。

尾関 「アンビルト」は未完成の、新しい可能性という意味があります。我々は未完成で、「個々のお客さまが自分にあったものを作って完成される」というイメージから命名しました。特にコアなターゲットは想定せず、今の時代の働き方に合ったセットアップを提案するのと同時に、タケオキクチでこだわってきた日本のモノ作りも活用していきます。

――今後の事業展開について教えてください。

尾関 1980年以降に生まれたミレニアル世代から、次に続く1996年以降に生まれた世代がビジネスシーンでの主役になっていくにつれ、働く目的は「楽しく暮らしたい」、「無駄のない生活をしたい」、「柔軟に働きたい」などになっていくと予測されます。テクノロジーに抵抗のない世代のセットアップを提案するブランドとして、「タッチポイントになる開かれた店」にしていきたいと思います。

【問い合わせ】
UNBUILT TAKEO KIKUCHI

アンビルト タケオキクチ渋谷
東京都渋谷区渋谷3-28-15
03-6450-6990
11:00~21:00 ※不定休

Photo:Riki Kashiwabara
Writer:Makoto Kajii

Author profile

梶井 誠
梶井 誠
Kajii Makoto

今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。

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