12月5日(水)からは「エドアルド ジャルディーニ」のパターンオーダー会を開催中
伊勢丹新宿店メンズ館地下1階=紳士靴の世界の名靴を揃えるハイエンドコーナーが今年9月にリニューアル。コーナーの面積を拡充して、ビスポークとパターンオーダーのブランドを充実させ、購入者への無料靴磨きなどサービス面でも強化を図った。
FORZA STYLEのこの連載では、この数回、「AI活用によるスーツオーダー」の新サービスを取り上げてきたが、今回はその真逆ともいえる「人の手の仕事=顧客視点のパーソナルオーダー」の変わらぬ魅力を、紳士靴担当バイヤーの福田隆史氏に伺った。
「靴の売上世界一」の売り場が見つめる、既製のその先
メンズファッションの仕事をしていると、スタイルの仕上げとして何より大事だと感じるのが「靴の存在感」。磨きあげられた黒のストレートチップは隙のない男を演出し、飾りの多いウイングチップは武骨で男くさい印象をもたらし、サイドゴアブーツは足を組んだときに色気を発するものだ。
イセタンメンズの紳士靴担当バイヤーの福田隆史氏は、「ビジネスマンのスタイルにとって、きれいに磨かれた靴を履くことは心理的なメリットをもたらします。『足元を見る』という言葉通り、自分からも靴はいつも見えるので、そこに自信が持てるかどうかは対外的にも影響するものだと思います」と語る。
世界中の百貨店の靴売場や大型靴店の中で、長く売上世界一を誇るメンズ館地下1階の紳士靴フロアは、世界に類を見ない幅広い既製靴のラインナップに加えて、福田氏曰く「既製のその先のオーダー」も視野に入れたリニューアルを行った。
伊勢丹メンズは、新しいことにトライしなければならない店
――ハイエンドコーナーをリニューアルし、ビスポークとパターンオーダーを常設したオーダーサロンを新設した理由は?
福田 私たちはリアルショップの価値の提供をしていかなければなりませんが、私たちが靴のオーダーを通して提案したいのは「体験(エクスペリエンス)」で、それができるのが最大の強みです。「自分だけの一足」を求めてこだわりを追求していくとオーダーに行き着くというお客様や、ステイタスの高いモノを求めるお客様に対して、「既製のより先にある」ものを攻めていくということですね。
――9月にリニューアルしてお客様の反応はいかがですか?
福田 ハイエンドコーナー全体を入りやすい空間設計にしたことで...