久々にスリーピースが着たくなって新調しました
暑さもすっかり和らいで、すっかり秋めいてきました。まあ、それも当然といえば当然。もう10月ですしね。いくら温暖化とはいえ、夏が長く続いてしまうと、その分お洒落が楽しめる時期が少なくなりますからね。で、ここからが本番。毎シーズン、紹介しているB.R.SHOPのパターンオーダースーツもこれが8代目となります。おそらく写真を見ただけではわかりませんが、新調するたびに少しずつ気分に合わせてアップデートしているのが僕のこだわり。着丈は前回と比べて5ミリ長く、肩幅は両端を3ミリずつ広く微調整を加えています。
そんななか、今回の大きなチャレンジは共地でベストをつくったこと。僕にとって、B.R.SHOPでは初めての経験でした。ビジネスの場で着用するスーツにトレンドを取り入れるのは不要だと思うのですが、そうは言っても何だか気になる“英国調”。とはいえ、あからさまにチェックというのは、普段着こなしにくい!
というわけで、生地は洒落者の多いイタリア人男性に人気のあるドラッパーズ社の「FIVE STARS」をセレクトしました。以前もこの生地でスーツを誂えたことがあるのですが、打ち込みがしっかりしていて、シワになりにくく、仕立て映えのする適度な重量感があるのが特徴。その一方で、美しいドレープを特殊なフィニッシュで実現させていて、ファッション性と機能性が見事に両立しているんですね。
色はメランジェ調のミディアムグレー。ネイビーもいいと思うのですが、髪の毛に白髪が混じり始める40代には、若々しいネイビーよりもグレーのほうが自然になじむんですよね。絶対に浮ついて見えないし、大人の男をシックに見せてくれます。
今の時期はジャケットとスラックスでツーピースとして、もう少し寒くなったらベストを加えてスリーピースで着ようかなと。それにしても、スリーピースを着るのは約12年ぶり。当時、自分のなかでスリーピースがあっていろいろと試したのですが、久しぶりに今の自分の体型に合った、時代感のあるものが着たくなったんです。
肩は若干シワが入る程度のマニカ・カミーチャを指定。段返り3ボタンの間隔を少し狭くしたことで、ウエスト位置が高くなり、スタイルがよく見えるように仕上げています。
スラックスは股上が浅く、テーパードの効きが強い今どきのシルエットながら、2プリーツ入りのため、着心地が極めて快適。今シーズンは、このスーツに白シャツと黒かグレーのタイを合わせて、正統派クラシックでいこうと思っています。
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE