採取から製造まで愛で溢れています
第14回目は、まくらぼの愛あるアイダーまくらです。
以前にこの連載で、高級マットレスをご紹介したところ、睡眠への関心が高いようでまくらや掛け布団も知りたいというお問い合わせがありまして、リサーチしてみたところ、見つけました高級まくら。アイダーダック100%のまくら。お値段、なんと60万円也! ご覧の通り至極シンプルで、装飾があるわけでも、ラグジュアリーなブランドが手がけているわけでもない。この金額は、使われている羽毛が高級ゆえ。
さて、ここで羽毛についておさらいです。一般的に、ダックよりグース、さらにマザーグースの羽毛が最も品質が高いとされています。ですが、このアイダーダック、そんじょそこらのカモではございません。寝具界では最上級に位置する高級羽毛なのです。主な生息地は、極寒の地・アイスランド。寒い土地で耐えうるために、その羽毛はバツグンの保温力を有しています。そして、その羽毛の軽さといったら、驚異的! 掛け布団は重さを感じないほどなんだとか。暖かくて軽いと、寝具にうってつけなのですが、何しろ希少で量産はできないそう。
といいますのも、アイダーダックは国際保護鳥のため、捕獲することが禁止どころか、触れるのもNG。その羽毛をどうやって採るかというと、野生のアイダーの巣から採取します。アイダーの母鳥は産卵をすると、卵を温めるため自らの胸の羽毛をついばんで巣に敷き詰めるのです。それを人がちょっとずつ集めます。だからひとつの巣から採れるのは わずか20gで、年間3000kgが限界。その後の加工も一貫して手作業です。
そんな羽毛がたっぷり詰まったまくらは、ふわふわ。高級ホテルのまくらで寝るあの幸せな感じを自宅で味わえます。なかに詰める羽毛の量はオーダーでき、好みに合わせて100gから(10万円/100g)調整可能です。ぐっすり寝むれそうだけど、汚さないように気をつけないと…。
昨今問題となっている、羽毛の採取とは違って鳥にも環境にも人にも優しい、愛たっぷりのまくら。商品名の由来もそんな背景から。愛が詰まったまくらって、いい夢が見られそうな気がしますよね。
Text:Tomomi Nishihara
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