東京の都会的な雰囲気に似合う“アズーロ・エ・マローネ”
お洒落なイタリア男性たちの定番のカラーリングといえば、“アズーロ・エ・マローネ”。確かに、イタリアっぽさを演出できる鉄板の組み合わせですが、色調に幅があるため、迂闊に手を出すと痛い目に合うスタイリングでもあります。そこで今回は比較的、誰にでも似合うネイビーを中心に、失敗しない“エロサバ”コーディネイトを考えてみました。

アイテム
コート/ブルネロ クチネリ
ジャケット/ビームス F
セーター/クルチアーニ
ジーンズ/ブルネロ クチネリ
ストール/ブルネロ クチネリ
コードブレスレット/フォーエバーマーク
シルバーバングル/SYMPATHY OF SOUL×Yoshimasa Hoshiba
ベルト/ジャン・ルソー
ソックス/カルツェドニア
靴/ブルネロ クチネリ
(すべて干場私物)
一時、凝りまくっていた“アズーロ・エ・マローネ”を、今の気分で表現してみようと思ってトライしたのがこのコーディネイトです。念のため、おさらいしておくと、イタリア語で“アズーロ(AZZURRO)”は空色、青を指し、“マローネ(MARRONE)”は栗色の茶を意味します。つまり、“アズーロ・エ・マローネ”とは、青と茶の組み合わせのこと。お洒落なイタリア人男性の間では、定番中の定番ともいえるカラーリングです。でも、ひと口に“アズーロ・エ・マローネ”と言っても、色調に濃淡の幅があるのでバリエーションはかなりのもの。青と茶の分量によってもイメージは大きく変わるんです。
しかし、なんでこんなに好きなんだろう?と思ってしまうほど、イタリアに行くとこの“アズーロ・エ・マローネ”の組み合わせをしたオジサンたちをよく見かけます。確かに、英国の伝統的なスタイルに比べて、どこか抜けた感じというか、自由でいて、品良くスポーティな雰囲気が演出できる。僕も、クラシコイタリアに傾倒していた『LEON』編集部時代は、これを極めようと、いろんな着こなしを試したものでした。でも、まあ、そればっかりやっているとさすがに飽きますわな。人間ですから……。それで、しばらくそこから離れていたんです。ところが、久しぶりにやってみたら、やっぱりいいですね。逆に、新鮮です。

僕が今回こだわったのは、“アズーロ・エ・マローネ”のスタイルをいかにシャープに見せるか。茶系の色が多いと、どうしてもカントリーっぽく見えてしまうので、ネイビーを中心にコーディネイトを組み立てました。比率で言うと、茶3:青7といったところでしょうか。それに茶の部分には淡いベージュトーンを選んだのがポイントです。こうすることで、くどく見えず、軽やかさが出ると思うんです。
ジャケットはグレー地に青×茶のグレンチェックを配したもので、ここではどちらかと言うと黒子的な存在。柄の配色自体が“アズーロ・エ・マローネ”で、目立たない地味チェックというのも気に入っています。ベージュはストールとスエードブーツですね。シックでありながら、それだけパッと明るく見えるんですよ。


どこがエロいのかって? パッと見はむしろ知的な雰囲気すら漂いますよね。でも、これは脱げば脱ぐほどエロい気持ちになってしまうマジック・コーディネイト。気絶その1は、リブ編みのストール。美女が寒そうにしていたら、さり気なく、「これ使いなよ」とかなんとか言って、首に巻いてあげてください。その瞬間、絶対に脚にきますよ! で、「もう、なんなのこのストール」となって、よろけながら僕のコートの袖をつかむと……はい、気絶2です。100%カシミア製。このヌメヌメ、しっとりとした手触りに、完全に腰砕けになること請け合いでしょう。最後のトドメは、タートルネックセーター。カシミアシルクのなめらかな素材感を味わった瞬間、全身に電流が走ります。

と、いつものことではありますが、王道の組み合わせと思わせながら、要所要所にカシミアを配したのがこのコーディネイトの最大のポイント。それも、美女の手の届きやすいところにワナを仕掛けるのが“エロサバ”の真骨頂なんです。最近、このスタイルが滅法気に入ってしまい、冬のジーンズスタイルのオーソドックス版として楽しんでいます。
でもね、理想のシチュエーションは、思いがけず意中の美女の部屋に招き入れられたとき……。「もう、干場さんたら、そこらへんに着ていた服を脱ぎちらかさないの!」(プンプン)と美女。「ごめん、ごめん」と僕が答えると、彼女は「しかたないわねぇ」と言いながら服を手に取ります。もう、おわかりでしょう、大人の男女がどうなっちゃうかは……。ただ、本当は一番エロいのが、ストールにかすかにつけたフレグランス。これはガツンと効きます。どんな香りかって? こればっかりは内緒にさせてください(笑)。
今回のスタイルのキモは……。
● “アズーロ・エ・マローネ”は、青7:茶3の比率で。
● 知性を感じさせるネイビーで都会的な雰囲気に
● ベージュを少量使って、シックながら軽やかなイメージを演出。
● 要所要所にカシミア素材のアイテムをちりばめて“エロ”注入。
● ストールにはかすかに香る媚薬を忍ばせる。
Photo: Ikuo Kubota(OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
3冊目の書籍が発売になりました。今回は、難しいとされる大人のカジュアルスタイルについて書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が教える
「究極の私服」
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2冊目の書籍は、色気についてです。
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1冊目は、スーツの着こなし術から世界の一流品選びまで、基本的なことやお洒落の本質について書いています。読んでない方はぜひ!
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【エロサバ】-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。

『FORZA STYLE』編集長
干場義雅
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。
スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする現在44歳の小誌編集長。東京生まれ。
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