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FASHION 40男のメガネ選び

【メガネを熟成!】3年寝かせるセルロイドが40男にハマるワケ

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見て、触って、掛けて感じる、職人の技量と鯖江の技術力

開店の11時と同時に中国人のグループが入ってくるほど、アジアでの人気が高い金子眼鏡店のメガネ。福井県鯖江市にある金子眼鏡のオリジナルを扱っているのが「金子眼鏡店」で、2015年春にオープンした青山店はそのフラッグシップショップです。

青山店は1階がシーズントピックスのコレクション、2階は「泰八郎謹製」や「恒眸作(こうぼうさく)」「井戸多美男作」「與市(よいち)」など、名人といわれる職人の銘を冠した「眼鏡職人シリーズ」が中心、3階は海外ブランドのデッドストックやアーカイブなど一点もののヴィンテージを扱っています。

金子眼鏡店 青山店1階

どのフロアの商品も見どころは多いですが、今や日本製メガネフレームの90%以上を生産する福井県鯖江市に集約する技術力と、約110年以上メガネを作り続けている職人の技量がグッと詰まっているのは金子眼鏡のオリジナルブランド。
「セルロイドの仕上げを見ると、職人の心意気がわかります」というのは八木数正店長です。

左から、上で掛けているセルフレーム 32,400円、メタルフレーム 45,360円、メタルフレーム(SPIVVY) 45,360円

 

上質なフレームの細部に、ものづくりの魂が宿る

広報担当の小林智子さんは、「金子眼鏡のセルロイドは3年間寝かせた生地を使用しているので硬くて丈夫です。仕上げの調整に手間暇がかかりますが、使用していてもゆがみがなく、型崩れしにくいのが特徴です。
セルロイドはべっ甲の代用素材として作られたものですが、人の手による丁寧な磨きで、天然素材のような独特な質感を持ち、しっとした肌触りになります。また、硬くて丈夫なので、テンプル(つる)の中に金属の芯が必要なく、芯がない分、軽く仕上がり、クリア感がきれいです」と説明。実際に掛けてみると、見た目のボリューム感に反して掛け心地は軽く、磨き込まれたセルロイドは手にしっとりと馴染みます。

セルフレーム 32,400円


切削機械を使って、立体的にプラスチックをカットする技術から生まれたのが、アセテートを貼り合わせたフレーム。貼り合わせてから削るので立体感がきれいに出て、色味のバリエーションも独特な雰囲気です。

セルフレーム 38,880円


フォルツァ世代に似合うのが、現代的にモダナイズされたサーモント(眉のように見えるブロー型)フレーム。見どころはチタニウム製のメガネの両端部分の智(ヨロイ)と、薄く細くカットしたアセテートが一体化しながらフラットなところ。ボリューム感を抑えたルックスはシンプルながら、優れた技術が凝縮されています。

メタルフレーム 45,360円


下は、ライターイチ推しのクラシックなセルフレームの新作。大ぶりで生地に厚みはありますが、見た目以上に軽くフィット。セルロイド生地の美しさは必見の価値あり。

セルフレーム各34,560円

 

フォルツァ世代にお薦めする店長レコメンドの2本

働き盛りで男盛りのフォルツァ世代のために八木店長がセレクトしたのは、福井・鯖江のメーカー直営店ならではの素材の良さと作りの精巧さにこだわったフレーム。

1階からチョイスした2本は、「40代の男性にはメタルとセルのコンビネーションや細めのメタルがお薦めです。ご自身の雰囲気やTPOに合わせて、着こなしと同じようにメガネを掛けかける楽しみを提案します」と八木店長。

「オンオフ両方使えるシンプルなメタル」で選んだのが、人気のクラウンパント型。よく見ると、リム(レンズを囲む部分)が革の質感を再現したレザーメッキ仕様になっていて、冷たい印象に見えないのがポイント。「レザーメッキはあえて表面にクラックを起こさせているので、よりレザーの質感をアピールしています」と推奨します。

左/メタルフレーム 36,720円、右/セルフレーム 36,720円

もう1本は細めのセルフレームで、合わせが難しいセルのバイカラーがおしゃれ度もアップ。「フロントとテンプルを繋ぐパーツに飾り丁番を使用。正面からはすっきり見えますが、サイドにあしらったワンポイントのゴールドがセルロイドのツヤ感を引き立てます。細かな調整が可能な鼻パッドを採用していて快適な掛け心地です」

八木数正店長とスタッフ

 

一貫生産を行う自社工場に全国から集ってくる若者たち

金子眼鏡は、プラスチック(アセテート、セルロイド)フレームの切削からバフ研磨(仕上げ)までの一貫生産を行う自社工場「BACKSTAGE」を2006年に設立。「分業が一般的なメガネ業界の中で、一貫生産体制にこだわっているのが金子眼鏡の特徴です。金子眼鏡では、地元のメガネ職人と二人三脚で『眼鏡職人シリーズ』を作っていますが、彼らの技術を継いで、ものづくりを志す若者が全国から鯖江に集結。BACKSTAGEではベテランから若手まで約20名が働いていて、素材の切断や部位の切削、鼻パッドの取付け、テンプル切削、丁番入れなどを手作業で行っています」と小林さん。

職人のメガネ作りにかける情熱やこだわりが、金子眼鏡の上質な仕上がりにストレートに繋がっています。

トップ画像:金子眼鏡店 青山店2階。掛けているセルフレーム 32,400円

【問い合わせ】
金子眼鏡店 青山店
東京都港区南青山3-13-20
03-6434-7533
営業時間 11:00~20:00
定休日:無休
http://www.kaneko-optical.co.jp/


Photo:Simpei Suzuki
Text:Makoto Kajii
Editor:Ryutaro Yanaka


 



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