エコカーはもちろん素晴らしい、EVも最高の技術だ。だが、クルマの官能を忘れるのは寂しい。そんなあなたにお届けする、色気のあるクルマ選び「フォルドラ」。
クルマの色気とは何か? あらためて自身に問うと、なかなかいい言葉が浮かびません。ただ強いていうなら、半分は言葉で説明できて、もう半分は言葉にならない。そんな魅力が色気かなと感じています。
例えばアナタの回りにいるカップル。なぜこんな相手と! と思うことって正直ありますよね。それは他人にはわからないことで当人同士だけが惹かれ合う、そんな感情に似ているのかもしれません。

今回試乗したポルシェ911。基本となるパッケージは1960年代に完成。当時を思えばエンジン、トランスミッション、ディファレンシャルギアを組み付けて車体と一体化すれば生産効率もよく、重いエンジンをリアに搭載すれば駆動輪にトラクションかかり、またスペース的にも後席を確保できます。エンジンのないフロントセクションは低く設計でき、空力を左右する前面投影面積も最小限にデザインでき有利に働きます。

このように書き連ねればメリットが大きいと感じるでしょうがネガティブな面もあります。コーナリング中は遠心力が働くので、限界を超えれば最大重量物のエンジンがあるリアからブレークします。運動性能だけ考えれば前後軸にかかる重量のバランスはその差が小さい方がいい。レーシングカーの911RSRがミドシップレイアウトを採用したように、いずれ市販車の911もこれに倣う運命かも?!
しかし、911はプラス・マイナスあるものの、RR(リアエンジン・リアドライブ)のパッケージがこのクルマの色気の大部分を生み出しています。アクセルをぐっと踏み込んだ時のバイクに近い路面を蹴る感覚、鼻先の軽さ、水平対向6気筒エンジンの回転フィールなど、良くも悪くもオンリーワン。他車では味わえない感覚があるのです。

これらの要素に加え個人的に気に入っているのが911の短いホイールベースです。現行モデル(991型)は先代(997型)より100mm伸ばされましたがそれでも2450mm。取り回しの良さや独特のキビキビ感をもたらします。
911より短いホイールベースのスポーツカーを探すとロータス・エリーゼの2300mm、アルファロメオ4Cの2380mmの2車ぐらいでしょうか。911と同じトップスピード300km/hクラスのモデルで比較するとフェラーリ488が2650mm。ちなみに同郷の718が2475mm。パッケージは異なりますがMINIの3ドアが2495mmとなります。
もしもこの先、911がミドシップになったら……。それはそれでバイザッハのエンジニアたちは新たな色気で我々を惑わせてくれるでしょうが、少なくともリアの+2シートはなくなってしまうでしょうね。

最後に個人的911所有歴を記しておくと、1974年式2.7、1989年式カレラ、1992年式カレラ2となります。現行型の911は本当に乗りやすくなりましたが、それでも空冷時代の名残が十分にあり、乗っていて実に楽しいクルマです。そしてオマケに快適。
かの白洲次郎氏が最後に所有されたのは1968年式の白い911Sだったと聞きます。英国留学時代はベントレーやブガッティを乗り回していた人物の最後の選択がポルシェ911だったなんて素敵な話しですね。氏は80歳までこの911を乗り回し、その後、「新車開発に役立つように」とトヨタに寄贈したそうです。
同氏のようにダンディな生き方はワタシにはマネできませんが、少しは911の色気がお伝えできればと思う次第です。次回のフォルドラに乞うご期待。
Text:Seiichi Norishige
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