究極のビスポークは気高く美しく
欧州で最も歴史あるクラシックカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」から前回に引き続き話題をひとつ。究極のビスポークとして発表された「Rolls Royce Sweptail(ロールス・ロイス スウェップテイル)」の話題です。
ひと目見ただけでインパクト絶大なモデルですが、何がスゴイかといえばやはりそのお値段(庶民目線で恐縮です)。公式発表ではありませんが、ウワサによれば日本円で14億円超え。世界で1台とはいえ、フェラーリの限定車やブガッティの2~3億円なんてカワイイものです。
事の始まりは2013年。とある富豪のオーダーでプロジェクトがスタート。動画をご覧いただければわかりますが、その開発はデザイン画から始まり、クレイモデルの製作へと進みます。シャーシやエンジンは流用しているでしょうが、ロールス・ロイスのビスポーク部門はまさにかつての伝統的コーチビルダーの仕事を完遂したことになります。
威厳さえ漂うフロントマスクですが、最大の魅力はルーフトップから流れるような絞込を見せる後部へのフィニッシュライン。1920年代から1930年代のエレガントなフォルムを彷彿させる美意識を見事に具現化しているようです。
「Rolls Royce Sweptail」は完璧な2シーターですが、後部スペースはクラシックなセーリングヨットのようなデザインと素材使いでラグジュアリーそのもの。実にエレガントな空間となっています。
このクルマが右ハンドルであること。そしてシックなインテリアの色使いなどから考察すれば、自ずとオーナーさえ特定できそうですがそれは野暮というもの。大人のクルマ選びの参考に留めておくべきでしょう。
Text:Seiichi Norishige
ロールス・ロイス モーターカーズ東京
03-6809-5450
■The Pinnacle of Bespoke