限りなくアメリカに近い福生で食べてくれ
もう何10年も前に初めて訪れたイタリアで知ったラコステの長袖ポロシャツ。現地のジイさんが袖まくりをしている姿にシビれ、その場で大量に買い込んだ思い出の1枚。
フランスのラコステにアメリカ生まれのリーバイス501とコンバースを履き、伝説のピザを求め福生へ。
ピッツァではなくピザだ。俺が今食べたいのはイタリアではなくアメリカのピザということ。

ユーミンを聞きながら中央フリーウェイを飛ばし、福生の横田基地前の国道16号を進む。

フェンスの向こうはアメリカだ。

戦後のアメリカ文化は米軍基地周辺から広まったもの。ここには当時華やかだった名残を感じさせる昭和が今も残っているのだ。

横田基地の前にそびえ立つイタリアカラーのニコラ。Ciao!と答えたいところだが、ここは古き良き昭和なアメリカ経由のイタリアレストラン。

アメリカの匂いがする強烈な空間に気絶……福生昇天!完全に時が止まっていて文化遺産級だ。シブすぎる!

これがどうしても食べたかったニコラミックスピザ。ピッツァと呼びたくない正にアメリカのピザだ。

イタリアのモッツァレラチーズではなく、このカリッと香ばしいゴーダチーズでなければいけない。

強烈に美味い!福生で食べるアメリカすぎるピザ気絶……withタバスコ昇天!いったいなんでこんな濃厚な味になるのか福生スパイスが効いているとしか考えられない。
なんともしょっぱい感じがウマウマ。イタリアのピッツァとは別モノで美味すぎる!

お腹がいっぱいになったので16号をブラブラしてみると、ブルーシールを発見。

ここで食べるとなんで沖縄みたいに美味いんだろう。

真黒に塗りつぶされた店の前で、ふと足が止まる。

よく見るとテーラーK・ブラザーズの文字が見えるぞ。マジか?ここがあの伝説の老舗テーラーか。かつて若い米兵はここのコンポラスーツで街へ繰り出していた。忌野清志郎さんや、クレイジーケンバンドの横山剣さんなど、多くのミュージシャンもここでコンポラスーツをオーダーした福生の名店なのだ。
まさかその歴史に幕を閉じていたなんて。またひとつ昭和が消えた。

やるせない気分の俺にニコラさんが微笑む。港区の夜の帝王として、戦後のアンダーグラウンドな昭和史では有名な伝説の男だ。
イタリア系アメリカ人のニコラさんは海兵隊を除隊後に日本でGHQの仕事に関わり六本木で日本初のピザレストランを昭和31年に開業した。昭和史を飾る多くの著名人で連日大繁盛しその後、昭和34年に福生店をオープンし、六本木のお店は別の会社に譲渡したのだ。
六本木で生まれ横田基地で育ったニコラのピザは、戦後日本の闇社会を生き抜いたレジェンド達に愛されていたに違いない。

ラコステのロングスリーブポロシャツ。日本では、なかなか定着しない長袖のポロシャツだが、イタリアでは多くの人が着ている。これはフランス製のもので、色違い、サイズ違いで10枚ほど所有しているマイ・スタンダード。
Photo & Text:Eiji Katano
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今回のアニキおすすめの店

「Pizza&イタリアレストラン NICOLA」
東京都福生市福生2402
Tel. 042-551-0707
https://tabelog.com/tokyo/A1330/A133002/13005994/
営業時間 11:00~23:00
定休日 火曜

プロフィール
片野英児(かたのえいじ)
1968年生まれ。昭和とメンズ服飾を愛してやまない48歳。小誌編集長の干場(ほしば)がアニキと呼んだことから、いつしかアダ名がアニキに。趣味は、スナックで昭和カラオケ。呑みすぎると、歌いながら、なぜか干場と泣き合う熱き男。好きな場所は軍艦島とイタリア。プロレスに行くと、なぜかマスクをかぶって観戦したくなってしまう。