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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
媚薬ジャズの聴かせ方

恋多き女の結論「同業者と付き合ってみるのも一つの経験」

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JAZZという、男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶してまいりました。この連載では、皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のアドバイスと共に、ちょっと元気が出るナンバーをご紹介してまいります。

どんな時でも音楽の溢れる毎日

御機嫌よう。恋愛中毒JAZZシンガー「ぺぺ」ことRIKAPEPEです。

「君の歌、よかったよ。若いのにちゃんと分かってるね」

ある日、仕事で共演したジャズメンに言われたんです。

ジャズの「店仕事」というのは、お店側が演奏者のブッキングをすることが多く、誰と組まれるかはお楽しみ的な要素があります。度々ご一緒させていただく方も初対面の方も多い中、彼は初めてお会いするピアニストでした。共奏をしたミュージシャンから歌の評価をされる事なんて滅多になく、良い評価をされる事は尚更ない。思い掛けない彼の一言に驚いたと共に嬉しさを隠しきれなかったことを今でも記憶しています。

「同業者(ミュージシャン)とは付き合わない」

ぺぺの中での恋愛ルールでした。その取り決めがスルリと破られたのは、彼とセッションをしたちょうど1週間後のことでした。

彼は演奏仕事終わりにいつもチャリでぺぺの元へやって来ました。急いで漕いで来たせいか、ライブ後でアドレナリンが出過ぎているせいか、彼は直ぐに寝つける筈も無く私達の夜はなかなか明けない(笑)。休みの日になると、ミュージシャンなのに朝が強い彼は私のチャリで近所のパン屋まで行き、珈琲を淹れてピアノで起こしてくれたり。誕生日にはぺぺの日常的な鼻歌を即興で曲にして弾いてくれたり。毎日が音楽に溢れるクリスマスのよう。

そんな彼とも小さな口論は暫しありました。
今となれば何が原因で口論になったかは記憶していません。ただ、仲直りする時も音楽でした。それは、喧嘩中に彼の自宅スタジオで練習をしていた時のこと。8曲程歌って、最後にバラードを合わせる段取りでした。出だしはピアノとルバートで、Aメロから楽器が増えるというロマンティックな展開。喧嘩をしていたというのに、彼のピアノは只々包み込む様に優しくて、もっと優しい彼の眼差しは鍵盤の上ではなく、真っ直ぐにぺぺの方に向けられていました。間奏中、ぺぺは彼の椅子にちょこっと腰かけて、『LALALAND』のシーンみたいに歌ったのを思い出します。その一部始終は練習録音していたので(何かエロい)、家に帰って音源を聴いた時は映画みたいで気絶したことを覚えています。

さて、その彼と練習録音した曲というのは、ロマンティックなJAZZのバラードナンバー『MY ONE AND ONLY LOVE(愛するたった1人のひと)』。1953年、ロバート・メリンとガイ・ウッドによる共作で生まれ、フランク・シナトラの歌で大ヒットして一躍有名になった曲です。

【音源】

 


Halie Loren(ヘイリー・ロレン)の甘く切ない歌声がいい。

 

John Coltrane(コルトレーン)のサックスが鳴いてるし、サビのピアノも好き。

【歌詞】
君のことを考えると僕の心が歌い始めるよ
そう4月の風が春の翼を羽撃かせるようにね
すると君の姿がふわっと浮かんでくるんだ
君は僕の愛する たった一人の女性

夜の帳が降り 不思議な魔法に包まれる頃
辺りは声を潜める中 僕の腕の中に君が眠る
君の唇の優しい温もりを感じながら
君は僕の愛する たった一人の女性

君の手が触れると まるで天国にいるみたい
こんな気持ち 今まで知らずにいたから
「囁いてみてよ。私は貴方のもの」だって
僕がそう呟くたび 君は頬を染めていく

この焦がれる気持ちを充たすのは君だけ
唇を重ねる度に僕の魂は燃え上がり
身も心も 甘い恋に占領されていく
君は僕の愛する たった一人の女性

思い出すとちょっと赤面ですね。そんなこともありましたよね。毎回ぺぺの格言じみた言葉で〆させていただいておりますので、今回もここで一つ。

「同業者(ミュージシャン)とは付き合ってもいい。一度くらいは」(by.ぺぺ)」

皆さんの参考になるかは保証できませんが、同業者との恋愛(社内恋愛)も、人生一度くらいはお勧めいたしますよ。何か特別な化学反応が起きてしまう筈!ぺぺがJAZZバーで学んだ教訓よ。では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー(アデュー)!

Photo:Yoshihiro Kamiya
Text:RIKAPEPE
Edit:栗P

RIKAPEPE
自らを「シネマ女優JAZZシンガー」と名乗り、映画の中で歌い演じる往年女優のスタイルを表現。CM、イベント出演の他、オーダーメイ ドスーツブランド「SUITBAR」とコラボし衣装デザインをおこない、「ストリートでクチュール(仕立て服)を気軽に愉しむ」「ストリートクチュール」の提案も開始。自身のエンターテイメントJAZZバンドでは、「何処にも実在しない、何処でもない場所」にて開催されるキャバレースタイルのJAZZエンターテイメントを発信中。
【HP】
rikapepe.jp
【instagram】
https://www.instagram.com/rikapepe/







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