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FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
媚薬ジャズの聴かせ方

悪用禁止! ~もうすぐ春ですね、JAZZを初めて始めてみませんか?~

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JAZZという、男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶してまいりました。この連載では、皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のアドバイスと共に、ちょっと元気が出るナンバーをご紹介してまいります。

「早く忘れて、次の恋を始めなよ」

心配も悲哀もカバンに詰め込んでしまおう

僕はここから出て行くよ

小声で歌でも歌いながら

僕を待ってくれる人の元へ

砂糖は甘いし

きっとその人も素敵だろう

ここでは僕のこと

誰もわかってくれなかった

哀れな噂話ばかりを押しつけてきたんだ

ベッドを用意して

灯りも点けていて欲しい

今夜の遅くには着くから

黒い鳥よ、さようなら

『バイバイブラックバード』より

「もうすぐ春ですね、恋をしてみませんか」
そう、春といえば出逢いと別れの季節。泣いてばかりいたって幸福(しあわせ)は来ないから、重いコート脱いで出かけませんか? とキャンディーズのランちゃんの声が空から聴こえてきそう。御機嫌よう。親愛なるFORZA STYLEのスマフォー読者の皆様、恋愛中毒のJAZZシンガー「ぺぺ」ことRIKAPEPEです。

この連載では、意外と知られていないJAZZの歌詞から、男女のあれこれを学びとり、「JAZZを知らない」「聴いてみたいけどきっかけがない」そんなお悩みをお持ちのスマフォー読者の方々に、ぺぺが分かりやすく、色っぽく。JAZZを通してFORZA STYLEの読者の皆さまに、ドキドキの恋愛指南をお届けしております。

©gettyimages

振られた彼女をバーではげますならこの曲。

「恋をすることは苦しむことだ。苦しみたくないなら、恋をしてはいけない。でも、そうすると、恋をしていないということでまた苦しむことになる」( ウディ・アレン)

いつだって恋は楽しみであり、苦しい。恋をした人なら誰でも味わった事のある味わいでしょう。どれ程傷ついてもまた恋したくなるのは、恋愛がいかに魅力的であるのかを証明しているかのようです。人は皆、夢より楽しい現実(恋)を追い求めてしまうのかしら。

「彼とは最初から火遊びだって、本気にはならないとそう心に決めていたのに。何故こんなに悲しいんだろう。いい加減、にこの恋もう終わりにしなくちゃ」

©gettyimages

意中の彼女から突然バーに呼び出されたあなた。こんな小言を打ち明けられた日には、スマフォー読者の皆様はどう答えるのかしら。とりあえず恋愛相談に乗り、もっともらしい事を言う。よくあることよね。あるいは、まずは恋愛相談に乗りつつも、あわよくば感を出し過ぎず、まんまとお近づきになる。それも、よくあること。

さて、今回ぺぺがご紹介する曲は、こじらせ男女に贈る「早く忘れて、次の恋を始めなよ」と半ば強制的に背中を押してあげられる一曲『JUST ONE OF THOSE THINGS 』。1935年にコール・ポーターが作詞。かわいいとも言えるアイラ・ガシューインの歌詞とは対極な、「色気のほのめかし」や「ダブル・ミーニング」の言葉遣いが洗練されていてぺぺは大好きです。

のぼせあがった恋愛の終焉は「よくあることです」と菩薩の様に悟り目線で淡々と歌ってくれるこの曲。実はぺぺもこの曲を聴いて、そういう恋を終わらせることができたのよ。最もおすすめな方法としては、この曲を部屋で一人で馬鹿になったみたいに歌ってみるのです。すると、あーら不思議。すっきーりしますよ。

さてと、音源を聴いてみましょうか。

 

おすすめボーカルは、やっぱりサラ・ボーン先輩。

”GOOD-BYE”というフレーズに、

心に痛みを感じながらも、「よくあること」と言い聞かせ強制的に終わらせた感にホロりと涙です。

 

 

ミュージカルの女王といえばドリス・デイ先輩です。タキシードスタイルで軽快に歌い上げる姿がチャーミング。

【歌詞】

ドロシー・パーカーはボーイフレンドに言った。

「カンペキにさようなら」

お払い箱になったと知った時、コロンブスはスペイン女王に言った。

「楽しかったよ、イザベラ、君はサイテーだ」

神学者アベラールは道ならぬ愛人、エロイーズを修道院送りにして、こう言った。

「忘れずに手紙をくれよ」

ジュリエットはロミオの耳元で泣きながらこう言った。

「ロミオ、いいかげんに現実を受け入れて」

どこにでもある恋のお話。

それは、短く激しい情事だった。

ときどき鳴り響くベルのようなもの。

よくあることの一つだよ。

よくある夜の出来事。

もちろん素晴らしい夜だったけどね、

まるでそよ風に乗せられて月まで行っちゃったみたいな夜。

それもよくあること。

でも、終わりのことを少しでも考えておけば良かった。

盛り上がり始めたあの時に、

いつか終わるってことを。

私達はのぼせすぎて、冷静になれなかったのね。

だから、さようならするよ愛しい君。

さようなら。また、時々は会おうよ。

とても楽しかったよ、

いつもの火遊びだけど。

歴史上の著名人だって、韓流ドラマの主人公だって、「色恋」というのは昔からずっと1パターンの繰り返しなのです。本当によくあること。だから、坊やそんなにメソメソしないで、次に進みしょう万が一、彼氏と別れたばかりの彼女を口説いてド派手に振られてしまったら、ぺぺが貴方のために「ぐっばーい、ぐっばーい」のフレーズ強めに『JUST ONE OF THOSE THINGS 』を歌ってあげるわね。では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー(アデュー)!

Photo:Yoshihiro Kamiya
Text:RIKAPEPE

Edit:栗P

RIKAPEPE
自らを「シネマ女優JAZZシンガー」と名乗り、映画の中で歌い演じる往年女優のスタイルを表現。CM、イベント出演の他、オーダーメイ ドスーツブランド「SUITBAR」とコラボし衣装デザインをおこない、「ストリートでクチュール(仕立て服)を気軽に愉しむ」「ストリートクチュール」の提案も開始。自身のエンターテイメントJAZZバンドでは、「何処にも実在しない、何処でもない場所」にて開催されるキャバレースタイルのJAZZエンターテイメントを発信中。
【HP】rikapepe.jp
【instagram】https://www.instagram.com/rikapepe/







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