まるで雲の上に座っているような感覚 干場が惚れたラグジュアリーカーとは?
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激動を予感させる2017年。しかし、いつの時代も嵐は起こり、それを乗り越える紳士たろうと男たちは努めてきました。己のスタイルを確立し、荒波を乗り越えてこそ男の価値も高まろうというもの。たかがクルマ、されどクルマ。理想を貫けば、男にとってクルマは最強のギアのひとつになります。
今回も本誌お馴染み気鋭のモータージャーナリスト九島辰也さんを迎え、編集長の干場義雅が、最新の2017年モデル『ベントレー・フライングスパーV8S』を題材にクルマ談義を繰り広げます。
永遠のスタンダード“セダン”を徹底検証
干場:ボンジョルノ!
九島:ボンジョ~ルノ! 相変わらず忙しそうだね。
干場:お陰様で忙しくさせていただいております。
九島:じゃあサクサクいこう。今日はベントレーの4ドアセダン、フライングスパーの最新モデルV8Sね。ささ、座ってみて。
干場:ボクが後部座席に乗るのはタクシーのときぐらいなんですが、コレははっきりいって……雲泥の差ですね!まるで超高級ソファの上で寛いでいるような。
九島:でしょ。ベントレーってドライバーズカーのイメージが強いけど、ショーファードリブンも素晴らしい。王室気分でまさに貴族のクルマを実感するよね。
干場:ベントレーは英国ですよね。ということは、ファッションで例えるなら、サビル・ロウストリートのテーラーで仕立てたスーツって解釈でいいですか?
九島:異論を挟む余地はないと思うけど、よりカスタマーが能動的にリクエストしたカタチかな。
干場:なるほど……。なんか背筋がシャキッとしてきました。一級品のスーツに袖を通すと自然にスイッチが入るというか、いい意味で緊張感と心地良さが合わさった気分になりますからね。
九島:そういうのって若い頃は実感しづらいけど、40代になるとジワジワくるよね。
干場:本当、日々実感しますね。そういえば、九島さんとベントレーに乗るのは2回めですね。
九島:前回はオープンのGTコンバーチブルだったから、キャラクターの比較がしやすいかもね。
干場:GTコンバーチブルはスポーツ性が際立っていましたけど……。このフライングスパーはさすがにラグジュアリーですねぇ。
九島:ソコはセダンでもブランドごとにいろいろあるわけで、この世界観はベントレーならではだよ。
干場:このまま後席に居座ってもいいですか?
九島:お! まさかの自腹買い? 似合うよ(笑)。
干場:もう少しお時間いただけますか?
九島:ファーストインプレッションからいいでしょ。
干場:いや〜、気絶しますね。最高の素材を最高の職人が仕立てたって感じがヒシヒシと伝わってきます。
英国ラグジュアリーブランドのポジショニング
干場:九島さんに質問なんですけど、英国車をスポーツとラグジュアリーの濃度で検証すると、どのようなピラミッド構図になりますか?
九島:まず、スポーツ濃度の高さでいえばロータスだね。コレはもう100%。2シーターが基本形でマーケット的に2+2も設定しているけど、フロアパネルなんかアルミむき出しでOKって感じで、むしろそのほうが喜ばれるのさ(笑)。
干場:なるほど。それも機能性のカタチなんでしょうけれど(笑)。
九島:次に来るのは、そうだなぁ〜。スポーツ70%、ラグジュアリー30%でアストンマーティンって感じかな。
干場:スポーツ&ラグジュアリーなブランドって、ボクが一番好きなスタイルなんですけど、ベントレーのポジションが気になります。
九島:年齢層によって抱くイメージが変わると思うけど、あえて言えばベントレーは、50:50のイーブンじゃないかな。自分でステアリングを握ればわかるけど、本質はドライバーズカーなんだけよね。
干場:高級車としてよく対抗馬的に引き合いに出されるロールス・ロイスは?
九島:ラグジュアリー濃度100%。ベントレーとは根本的にスタンスが違うからね。
干場:よく一緒くたにする人もいるけど、DNAが違うということですね。
九島:そうそう。そこ大事なんだよ。
干場:ジャガーはどうでしょう?
九島:間口が広いからね。セダンだけでも3クラスあるし生産台数も多い。モデルごとに濃淡ありすぎるから比較対象としてはどうかな……。
干場:最後にランドローバーは?
九島:確かにラグジュアリーブランドではあるけれど、SUVオンリーだから、ちょっとフィールドが違うよね。とはいえ、そのSUVをロールス・ロイスやアストンマーティンも今後ラインナップに加えてくるので、みんな背の高いクルマになっちゃうかも(笑)。
干場:ハハハ(笑)。 そうなんですか。ベントレーがSUVのベンテイガを作った時はオドロキましたけど……。まだ増えるんですね〜(笑)。
九島:だけどね、これだけブームになるとみんなと同じになっちゃう(笑)
干場:頭の痛い話ですね。
九島:少し前にCSでオモシロイ番組見たんだよ。
干場:お!どんな番組なんですか?
九島:まわりがSUVばかりだから、オレはミュルザンヌでハンティングに行きたいってセレブの話でね。それをプロが本格的にリサーチして夢を実現していくストーリー。
干場:それはスゴイですね!!!
九島:ルーフをポップアップ式にしてシューティングスペースにしたり、車高もちょい上げ仕様にしたり、とにかく徹底していた。
干場:ファッションでたとえるなら、究極のビスポークのスーツですね。
フライングスパーのなかで❝V8S❞を選ぶ意味
九島:今後もSUVブームが続くわけだけど、あえてファッションブランドに例えると、ラグジュアリーSUVは何になるかな?
干場:うぁ〜、難しいですね〜。でも、最近で言うなら、イタリアのMooRER(ムーレー)とかですね。機能的でメイド・イン・イタリアと最高級品質にこだわるラグジュアリーアウターブランドです。
九島:さすがいいとこ突いてくるね。じゃあセダンはどう映る?
干場:特定のブランドというより、ジャケットやスーツといった普遍的なスタイルでしょうか。無論、フライングスパーはテーラードのソレになりますが。基本となるクラシックが分かっていないと、ちぐはぐにバランスを欠くことになります。
九島:それこそセンスって奴だね。セダンなら後席に乗る人の気持ちもわかっているはずで、なんにつけてもバランス感覚がある。
干場:2シーターなら男女ってスタイルだろうけど、セダンは家族なりゲストを乗せるというベースがあるわけで、人として中味が整っていないといけない。
九島:それが紳士の嗜みなんだと思う。純粋にドライビングを楽しみたい時間と、誰かと一緒にいる時間の振るまいというのかな。だからセダンが身についているというのは、成熟した大人の証かもね。
干場:40代に入らないと分からないことかも知れませんね。ところで、このフライングスパーは3グレードありますけど、それぞれのキャラクターを教えてもらえますか?
九島:6リッターの12気筒はドシッとした感じで3つの中ではショーファーに向いているモデルかな。それに対してV8は、操縦しているという実感、ドライブする楽しさがある。
干場:じゃあ、スタンダードのV8とV8Sの差ってなんでしょうか? データだけ見ればわずか21psで価格差が155万円。
九島:乗り比べれば歴然としたライド感の差異があるけれど、むしろそこは選ぶ人のこだわりなんだと思う。「オレは12気筒じゃなくて、あえてV8エンジンを選んだんだ」というね。選択できるオプションが増えるメリットもあるけれど❝V8S❞の選択には妥協感がない。そこが魅力だと思う。
干場:SUVブームの中にあって、あえてセダンのフライングスパーを選ぶということは、「男が50代に辿り着くまでに乗るべきクルマ」である、という結論ですね。
九島:そうだね。50代の入口はあらためて大人であることを意識する・させられる年齢でもあるよね。自分がこれまで何を成し遂げてきたかとか、先のことも含め考えさせられることが多い。荒波にもまれ、本質を見極める力を身につけた40代の男にこそ、このクルマのステアリングを握ってほしい。ベントレーというブランドを多くの紳士を育んできたツールと捉えれば、「まだオレには早いかな」と思っている40代にとっても、チャレンジする意欲が湧いてくるんじゃないかな。
Text:Tatsuya Kushima
Photo:Masaya Abe
Edit:Seiichi Norishige
◇ベントレー・フライングスパーV8S
ベントレーの4ドアセダン『フライングスパー』のなかで、最強のV8エンジンを搭載したモデルが『V8S』。クーペのコンチネンタルGTシリーズのような精悍なエクステリア、改良型のV8ターボエンジン、引き締められたサスペンションが主な特徴。スポーツカー顔負けのフットワークと、上質でラグジュアリーな空間が見事にバランスした魅力のモデル。
SPECIFICATION
ボディサイズ 全長5315×全幅1985×全高1490mm
エンジン 4.0リッター V8ツインターボチャージド
最高出力 388 kW / 528 PS @ 6000 rpm
最大トルク 680 Nm (69.3kgm) @ 1700 rpm
※可変バルブタイミングシステム、気筒休止システム搭載
ドライブライン 全輪駆動
トランスミッション 8速オートマチック
ホイールサイズ 20インチ (21インチはオプション)
タイヤサイズ 275/40ZR20
【問い合わせ先】
ベントレーモーターズジャパン
TEL:0120-97-7797(ベントレーコール)
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