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VOL.9 「ベントレー ミュルザンヌ編」

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いい男になるための”極上の”一台

ひとことで“いいクルマ”といってもいろいろな意味がある。使い勝手がいいとか燃費がいいとかも“いいクルマ”と呼べるし、高級車のことを総じてそう呼ぶこともある。「いいクルマ乗ってるね〜」なんて場合がそれだ。

だが、そんなことを超越した“いいクルマ”がある。今回オーストリアで試乗したベントレーミュルザンヌだ。この場合の“いい”は凛とした世界観にある。まさに育ちがいいとか、素性がいいとか、そんなところだろう。目にするもの、触れるものすべてが上質であることを感じさせる。

ミュルザンヌはベントレーの最上級グレードに当たる最高級サルーンだ。コンチネンタルGTシリーズから独立したフライングスパーという4ドアサルーンもあるが、それとは別モノといっていい。プライスレンジは3000万円中盤以上で、オプションの種類も豊富に揃う。というか無限大。お金持ちのこだわりを忠実に再現できるよう準備されている。

そんなミュルザンヌがビッグマイナーチェンジを受けたということで、オーストリアのインスブルックへ出向いた。新しくなったミュルザンヌ、それとハイパフォーマンス版のミュルザンヌスピードのステアリングを握るためだ。

Mulsanne Porcelain
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Mulsanne Arabica
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新型の印象はこれまでよりも勇ましくなった。もちろん、5mを余裕で超えるボディと500馬力オーバーのエンジンはいままでも十分勇ましいが、今回はフロントまわりやアルミホイールなどのデザインまでかなり攻めている。ワイドになったグリルの存在感はものすごく、遠くからでもベントレーであることが主張される。またジュエリーのようなイメージでデザインされたLEDヘッドライトもそう。その輝きはタダモノでない。

Mulsanne Arabica
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Mulsanne Porcelain
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インテリアを覗き込めばさらにベントレーの世界観に触れる。そこはもう英国伝統の大人の世界。クラシカルなシャトーにモダンファニチャーをレイアウトしたような雰囲気が漂う。高級レザーの仕立てやシンメトリーのウッドパネルにこのブランドならではの匠のワザを見る。「こういうのをいいクルマっていうんだ……」と、心の底からつぶやいてしまったほどだ。

Mulsanne Fountain Blue
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Mulsanne Arabica
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そんなミュルザンヌの走りは今回かなりスポーティに仕上がっていた。さすが高級サルーンといえどもそこはベントレーで、彼らの本来持つスポーツマインドは消えていない。これまでも比較的そうであったが、新型はさらに強まった。具体的には出だしからの加速や高速時の安定性、それとワインディングでの身のこなしだ。エンジン出力は512ps、537ps(スピード)と変更していないが、8速ATのプログラミングを変えたことで加速感が増した。それに最大トルクは1000Nm以上あるのだから恐れ入る。こんな数字なかなかない。またエアサスペンションの設定がよりスポーティに振っているのもポイント。コーナーではさらにシャープな身のこなしとなった。

Mulsanne Speed Julep
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Mulsanne Speed Julep
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といった極上のいいクルマを走らせて感じたのは、見た目、しつらえ、走り、といった全方位的に“いいクルマ”だということ。なかなかミュルザンヌのステアリングを握る機会はないだろうが、いいクルマを知るという意味で、いいお手本になる。いい男になるには、ミュルザンヌはいい教科書に違いない。

(※エクステンデットホイールベースの日本導入はございません)

【プロフィール】

九島辰也
モータージャーナリスト兼コラムニスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員/2014-2015日本カーオブザイヤー選考委 員/日本ボートオブザイヤー選考委員/(社)日本葉巻協会会員http://www.tatsuyakushima.com/index.html

 

 



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