ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
CAR NEWS

ストリーミング配信が今後のブランディングを担う?!

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

神話に包まれた❝Spirit of Ecstasy❞

ロールス・ロイスから興味深い長編ムービーが公開されています。タイトルは「The House of Rolls-Royce」。で、その第一話がボンネットの鼻先に鎮座するマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」、別名フライング・レディにまつわるエピソードなのです。

既にご承知の方には今さらの感もありますが、この物語はダウントン・アビー級の波乱に満ちたヒューマンドラマ。どこをどう切り取って着地させるのか、ありのままに表現するのか、とても大きなテーマに思えます。

伝説のマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」が誕生したのは1911年。同社の創業が1906年ということからもおわかりの通り、初めからクルマに飾られていたわけではありません。当時はオーナーおのおのが思考を凝らし、そのマスコットを装着していたといいます。

「スピリット・オブ・エクスタシー」はシルバー・ゴーストのオーナーであり、英国ボーリューの領主ジョン・モンタギューのアイディア。氏は貴族であり政治家でもあったのでロード・モンタギューといったほうがピンと来るかもしれません。

スペースの関係でココからギュッと圧縮しますが、氏がクラス階級のお仲間であるロールス・ロイスの経営陣に、親交のあった芸術家チャールズ・サイクスにマスコットを作らせようと提案。で、その作品のモチーフになったのが氏と不倫関係にあったエレノア・ソーントン女史なのです。

サイクスは「Silver Fancy」という彼の作品をベースにギリシャ神話に登場する勝利の女神、「ニケ」とエレノアを重ね合わせ「Spirit of Ecstasy」を誕生させます。そしてそのマスコットは正式に商標登録され現在に至ります。余談ですが、1920年パリで開催されたフードマスコットのコンテストで「Spirit of Ecstasy」はグランプリに輝いています。

さて、私のような庶民派は俄然二人の関係が気になるところですが、なんと二人を載せ航海中だった船がUボートにより撃沈。さらに海に投げ出された二人を高波が襲いエレノアは海の彼方に消えてしまいます。

最後はタイタニック級の物語なのですが、生き残ったのは男女逆でジョンの方なのです。この悲劇が起こったのは1915年12月30日。間もなくエレノア・ソーントンの命日を迎えようとしています。

Text:Seiichi Norishige

ロールス・ロイス モーターカーズ(本国)
■The House of Rolls-Royce, Chapter I: The Spirit of Ecstasy



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5