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人間の価値はカネで決まるのか? 衝撃映画が投げかける問い

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イタリア・アカデミー賞7部門受賞作品「人間の値打ち」

あらゆる経験値が上がるアラフォー世代であっても、平穏な日常の中で予期せぬ出来事に遭遇してしまった…、そんなことが身近にありませんか? 窮地に立たされた時、今までぼんやりとしていた「他人から見た自分の価値」や「信頼している人との本当の関係性」と対峙することになり、愕然としてしまう…、社会の中で自分という存在は、何なのか? そもそも幸せとは何なのか? そんな疑問を持っている人にお薦めの映画を紹介します。


お金をどうしたら増やせるのか、どうしたら失わずに済むかなど、お金にまつわる問題がいかに人間関係や人の運命、価値を左右しうるのか…。ミラノ郊外コモ湖のほとりにそびえ立つ美しい邸宅を舞台に、上流・中流・下流各層の人々の交差する欲望の行方とは…。

現実を突きつけられるラストが息を飲むほどに衝撃的な本作は、イタリア・アカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で7冠に輝いた他、国内外で40以上の賞を受賞した話題作です。


自分の娘を分不相応な名門校に入学させるようなタイプの不動産屋、ディーノ・オッソラ。娘のセレーナが丘の上の豪邸に住む裕福なボーイフレンドと付き合っていることをきっかけに、利率のいいファンドの話に取り入ろうとすることから物語は始まります。そして、クリスマスイヴ前夜に起こった引き逃げ事故をめぐり、経済格差のある3つの家庭に隠された秘密が浮かび上がり、その先は———。


富豪の妻、カルラを演じて最優秀主演女優賞に輝いたのは、ミラノの名家に生まれ、元仏大統領夫人のカルラ・ブルーニを妹に持つヴァレリア・ブルーニ・テデスキ。実生活でも裕福な生まれの女優が演じる、経済的に恵まれていながら満たされない女性の姿や、ヨーロッパの階級社会における厳しい棲みわけが絶妙な表現力で描かれています。

原作はアメリカ、映画の脚本はイタリアが舞台の本作ですが「マウンティング」や「格差社会」などの言葉をたびたび耳にする日本にも重なる問題を内包しています。「経済的な欲望の先に何があるのか」…という問いについて改めて考えさせられるスリリングなサスペンス。映像の端々からチクリと刺さるメッセージが送られてきます。この映画を観て「人の値打ちとは何か?」を今一度考えてみてはいかがでしょうか。

                         Text : Yuki Kamio

「人間の値打ち」
(イタリア・アカデミー賞7部門受賞作品)
bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー

詳しい劇場情報はコチラから。
http://www.eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=544

監督・脚本:パオロ・ヴィルズィ 原作:スティーブン・アミドン
出演:ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ファブリツィオ・ベンティボリオ、マティルデ・ジョリ、ファブリツィオ・ジフーニ、ヴァレリア・ゴリノ、ルイジ・ロ・カーショ
特別協力:イタリア文化会館 後援:在日イタリア大使館 提供:シンカ、NHKエンタープライズ、朝日新聞社 宣伝:シャントラパ、太泰 配給:シンカ



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