ソヌリの進化を促す、サウンドへの旅
腕時計の世界には驚くほど複雑な機構が存在しますが、そのなかでトゥールビヨンや永久カレンダーよりも複雑かつ高額なのが、音を奏でるミニッツリピーターやソヌリなどの機構です。
今回ご紹介するAUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)の「ROYAL OAK CINCEPT SUPERSONNERIE(ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ)」は、ソヌリウォッチの歴史を塗り替えるほどの偉業を達成した話題作。
このモデルが何よりユニークである点。それは通常のミニッツリピーターとはまったく異なる視点で設計が行われ、アコースティックギターを音響のモデルとして想定しています。
なお、「ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ」の開発から、オーデマ ピゲは3つの改革を成功しました。
そのひとつとして挙がるのが、かつてないほどの美しいハーモニーーを実現させたチャイムの加工処理。音質に大きな影響するこのステンレスティールのパーツの切断面、長さ、硬度を見直すことで、チューニングの時間が短縮され、独特の調和を得ることができました。
音の反響から導き出したユニークな形状のケースと内部のシステムは、音質を高めるためのさまざまな工夫を凝らしています。通常なら地盤にゴングを固定するところ、直接音響板に取り付けることでギターの前面のような機能を担っています。
時、15分、分と定時に音を鳴らす間隔をセットするストライキングレギュレーターの設計で獲得したのが、やわらかで明るい音色です。柔軟性の高いアンカーシステムが衝撃によるノイズを除去することでクリアな音だけを伝えられるように改善を図りました。
さらには、トールビヨンとセンターセコンドのクロノグラフまで搭載されていたりと、この点からも稀に見るクラスのコンプリケーションだと言えます。
まさに夢のような数々の複雑機構を搭載する「ロイヤル オーク コンセプト・スーパーソヌリ」。限られた生産数ゆえ、実物にお目にかかることはなかなか難しいかも知れませんが、マメ知識として押さえておくと時計の世界へ対する視野が確実に広がりますよ。
Text: FORZA STYLE

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オーデマ ピゲ ジャパン
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