古民家を再生したお宿「山里のいおり 草円」。囲炉裏を囲み素足で過ごす週末
奥飛騨温泉郷のひとつである福地温泉は、標高1,000メートルにあります。新緑の奥飛騨の大きく成長した木の葉が木漏れ日を作る季節。夜空の輝く満天の星、虫の鳴き声、遅い奥飛騨の季節に山つつじや紫陽花が、優しく迎えてくれます。
奥飛騨の温泉巡り、小京都、古い街並みが残る高山への小旅行にもお勧めなここ福地温泉は、トンネルを越えれば上高地へのアクセスも楽々。新穂高ロープウェイを使って北アルプスの大パノラマを堪能するのもいいですね。この週末は心やすらぐ日本の豊かな自然と清流に恵まれた岐阜を旅してみてはいかがでしょうか。
そんな四季折々の美しい風景に包まれた、奥飛騨の宿「山里のいおり 草円」は、江戸晩期に建てられた飛騨の豪壮実直な古民家を移築再生したお宿。国の登録文化財の母屋は、旧清見村大原から移築した飛騨造りの古い建物を利用しており、館内を満たす風の流れはやさしく心を包み、100年の歴史が味わい深い山里情緒をかもし出してくれます。
お部屋は、力強い奥飛騨の自然を感じる客室です。移築した建物の部屋は3タイプで、15室ある部屋は一部屋一部屋が違う間取りでそれぞれが趣が異なる作りが魅力。豪農屋敷の存在感が今も残る「木庵」は、居間と和室の寝室を備えた空間で、部屋からは平湯川の流れが一望できます。
食事も部屋ごとに囲炉裏が配され、地元の食材と季節を活かした料理が楽しめます。飛騨牛をはじめ、山里ならではの郷土料理を堪能してください。イワナやアマゴなどの川魚や、五平餅が炭火で香ばしく焼かれるのを見るだけで昔へタイムスリップした気持ちになりそう。
どっしりとした梁や囲炉裏で静かに燃える炎からは、昔の人が厳しい寒さを耐えながら凌いできた生活が垣間見ることができます。飛騨人たちが慣れ親しんできた囲炉裏端は、誰もが心休まるなごみの空間です。ここでは、靴も靴下も脱いで、素足のままでのんびりと心ゆくまで寛いでくださいね。
草円では、昔ながらの薪で釜戸で炊いているご飯が食べられます。ほっこりとした仕上がりと甘い香りが絶品。自然に触れてゆったり寛いだら、気付いたらお腹が良い感じに空いてきて、囲炉裏を囲んでの一時に食も進みそうです。
山里の四季に触れ源泉掛け流しの湯は、地下300mより汲み上げている自家源泉です。こじんまりとした落ち着いた露天風呂から自然と一体となれる大きな露天風呂、福地の山並みが一望できる露天風呂と貸切風呂は3タイプ。絶景露天風呂ともいうべき森の湯は、絶えることのない清らかな流れを平湯川に寄り添うように佇み、湯舟からは四季折々の野趣あふれる風情を愉しむことができます。森の湯と一緒に、身も心も自然の一部になりきって、こころゆくまで存分にお愉しみください。
これからは期間限定で、蛍のよく出る場所まで案内または送迎してくれる「蛍の散歩道参加希望プラン」も。運が良ければ蛍に出会えるかもしれませんね。福地温泉は蝉や小鳥の鳴き声だけが響き渡っているそんな秘湯の地です。空気もおいしいこの時期に是非リフレッシュする週末を過ごしながら、幻想的な蛍の飛び交う夜を楽しんでみませんか？
Text：Rina Sohn
奥飛騨 福地温泉
山里のいおり 草円
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地温泉831
0578-89-1116
http://www.soene.com/
1泊2食付き
【休前日】（2名様1室）1人20,800円（税別サ込）～
入湯税別
【ライター：孫理奈】 神奈川県出身。元オールナイターズ。バブル時代を謳歌し大手生保で勤務後、国際結婚をする。三男を難病で亡くし、著書に「ケイン愛してるよ〜ロスモンド・トムソン症候群と闘い続けた我が子、9年間の記録(幻冬社)」がある。現在フリーライターとして活動中。趣味は食べ歩きと旅行。
