「空へ、海へ、彼方へ—旅するルイ・ヴィトン展」旅をテーマにした魅力ある10章を堪能する
6月19日まで東京、紀尾井町に隣接する特設会場で開催されているのが『空へ、海へ、彼方へ—旅するルイ・ヴィトン展』です。紀尾井町は1978年に日本で初めての店舗を開いた縁のある場所。今回の展示は、そこに美術館のようなスペースをわざわざ作って開催されるという非常に贅沢な展示。それなのに無料で鑑賞できるという展覧会です。ネットで事前予約すれば、スムーズな入場もできるようになっているので、皆さん行ってみてはいかがでしょう?

この建物を目印に! この奥には、広大な展示スペースがあります。
キュレーションをしたのは、ガリエラ宮パリ市モード美術館館長のオリヴィエ・サイヤール。創業者一族のアーカイブをはじめ、1854年から今日までのメゾンの軌跡巡る構成。
テーマはずばり「旅」。それを10章に分けて展開しています。冒険、ヨット、自動車、空の旅、列車など、それぞれ趣向を凝らした展示は、部屋を巡るたびに驚きとともにワクワクさせてくれるものばかり。あらゆるものを旅に帯同させるのに、いつの時代もルイ・ヴィトンのラゲージはしっかりと応えてきてくれたことがわかります。

ここは自動車の部屋。車好きにはたまらないアイテムが並んでいます。当時の車の様子がわかる写真も一緒に展示されていて、さまざまなトランクを合わせてみることができます。
19世紀末より日本と強い関係を築いてきたルイ・ヴィトン。それを表しているもののひとつは、「紋」をインスピレーションいしたといわれるモノグラム・キャンバスです。本展では、日本にちなんだコーナーも必見。なんと1883年に板垣退助が渡欧した際に購入したトランクも展示されています。

専用アプリは展示をもっと楽しめる仕掛けが。
オーディオガイドも用意されていますが、インタラクティブな仕掛けもあり、そのための専用アプリもあるので、ぜひダウンロードしてから出かけたいもの。
旅をするように楽しみつつあるこの展示は、ラグジュアリーメゾンがなぜラグジュアリーであるのか、そんなことが紐解ける意義のある展覧会なのです。大至急、チェックしてみてください。
「空へ、海へ、彼方へ—旅するルイ・ヴィトン展」
開催期間 2016年6月19日まで
10:00〜20:00 (4月25日、5月2日、6月13日は13:00〜20:00)
月曜休館
東京都千代田区麹町5丁目 特設会場
入場料無料
オンライン予約などはこちらから
www.louisvuitton.com

1906年のトランクが最初に出迎えてくれます。モダンで完成度の高いデザインは、この年のカタログには、ほかにも様々な製品が並び、すでにメゾンの成功を予感させてくれるものだったそう。
Text&Photo:Makiko Takahashi