セクシーなコースレイアウト
シルバー・スコットと呼ばれたハンサムガイ。いぶし銀のようなスコットランド人という意味だが、そのトミー・アーマーは1930年前後に全米オープン、全英オープンなどメジャー大会を次々に制したことで知られる。
また彼はゴルフスタイルが粋なだけでなく、残した言葉も洒落ている。最も有名なのが次の言葉だ。
「ゴルフコースは女に似ている。扱いようによっては楽しくもあり、手に負えないこともある」
確かにゴルフはコースを無理矢理に攻略しようとすれば手痛い目に遭うものだし、やさしくつつましやかにプレーすれば楽しいものとなる。
また、アーマーのこの言葉は、「女」を「女体」と訳しているものもある。これもコースを俯瞰で眺めてみれば、女性の体のような柔らかな曲線が描かれていることがわかる。あるホールでは成熟した豊満な女性を思わせるし、他のホールではシェイプアップされたスリムな女性を思わせる。実際に、名匠と呼ばれたゴルフ設計家はあえて女性の体をイメージしてコースレイアウトを施している。
ゴルフコースは実はセクシーなものであり、素晴らしいコースになればなるほどセクシー度はアップしている。それは世界中のコースでいえることであり、我が国では、千葉バーディクラブが最もセクシーなコースだといえよう。
それはまずクラブハウスからゴルフコースが見えないことにある。美しいコースだからこそ、あからさまにはしない。隠してこその奥ゆかしさがプレー心をくすぐるのだ。そしていざコースに出向くと、雄大な自然がやさしく体を包んでくれる。鮮やかな緑、きらめく光、肌をそっと撫でる微風。しかも、甘い花の香りが漂う。
ネムノキ、アカシア、ハナショウブ、ナデシコ、ハナミズキなど、四季折々、様々な樹木の花や草花が色鮮やかに咲き誇る。さらには心を和ませる池やクリークには水鳥が遊び、木々の梢からは小鳥たちが囁き合う。このコースにはプレーをしていることを忘れさせるほどの悠久の時が流れている。
そうした自然の贅を尽くしたゴルフコースに、粋とは何かを知り尽くした男がやってきた。田中伸一氏、59歳。53歳のときに、グッチ・グループジャパンの社長の椅子を譲り、アーリーリタイヤメント。それ以来、仕事らしいことは何もしていない。「何もしないことこそ最高の贅沢」を地でいっている。ただし、ゴルフだけはこだわり続けている。とはいえ、スコアには固執しない。スイングとショットに美学を見いだしている。
その田中氏がエスコートしているのは、2014年ミスユニバース東京でグランプリを受賞した西内ひろさん。168cmの長身でスタイル抜群。まさに千葉バーディクラブのコースレイアウトそのもののようなセクシーな女性である。学生時代はバドミントンの選手であり、今は東京マラソンで4時間40分の好タイムで走り抜けるアスリートでもある。最近はゴルフにも熱中している。
2人は10番ホールからスタート。田中氏は「シルバークラブ」のポロシャツに青いベストという正統派のゴルフスタイル。「シルバークラブ」は日本アマ6勝という前人未踏の記録を打ち立てた、故・中部銀次郎さんのスピリットをゴルフウェアにしたためたものだ。田中氏はバックティから豪快なドライバーショットを放つ。青空に大きな弧を描いて白球が飛んでいった。

濃紺のミニのワンピースがとてもセクシーな西内さん。広いスタンスから思い切ってボールを打つ大胆なスイングは、さすが東京マラソンにも出場しているアスリートならでは。
田中さん衣装 ニットベスト¥11,000、ポロシャツ¥5,000、トラウザーズ¥15,000、ベルト¥7,800/すべてメーカーズシャツ鎌倉(メーカーズシャツ鎌倉 03-5449-7647)
西内さん衣装 ポロワンピース 参考商品/メーカーズシャツ鎌倉(メーカーズシャツ鎌倉 03-5449-7647)
西内さんは鎌倉シャツの鹿の子ワンピース。綺麗な濃紺のミニが春の息吹き漂うコースに映える。カッと足を開き、広いスタンスから思い切りボールを叩く。女性らしい華麗なスイングを想像していた田中氏が驚くパワフルなもの。一気にゴルフマインドのテンションが上がってくる。
まばゆいフェアウェイを会話しながら歩く二人。ナイスショットが出れば素直に喜び、ミスショットが出ても笑いが絶えない。このインのスタートは、今はまだ蕾のサクラとコブシが咲く美しいホール。見た目には冬景色でも春の暖かい日差しを浴びてのプレーは楽しい。
11番は一幅の絵画を思わせるショートホール。大きなワングリーンは綺麗に整備されていて、パットを楽しませてくれる。田中氏は見事にワンオン。西内さんはバンカーに入れたもののナイスアウト。グリーンの傾斜を読む西内さんは魅惑的。難しいロングパットだったが、見事にOKに寄せてしまった。
12番は左ドッグレッグのロングホール。セカンドが池越えとなる挑戦意欲をかき立てるホール。田中氏はフェアウェイウッドを持ち、高いフェードでフェアウェイをキープ。西内さんもパワフルなショットでフェアウェイをとらえる。田中氏は上手く池越えを果たし、第3打も上手く打ってパーオン。西内さんもフェアウェイウッドを持ち、見事に池を越える。
上級者の田中氏が西内さんにスイングなどを手ほどきしながらプレーが進む。15番はフェアウェイセンターに6本ものイヌシデの巨木が立つ名物ホール。思わず、ポーズを決めて記念写真を撮った2人だった。
これほどのんびりと大自然の中でプレーできるゴルフコースが東京近郊にあるだろうか。聞けば、プレーヤーの数を絞っているという。しかも林間コースなのに高低差がほとんどないので、楽しくプレーできるのだ。
ハーフを終えた2人は池の見えるテラスでゆっくりとランチ。錦鯉の泳ぎを見ながらシャンパングラスを傾ける。午後のプレーはどのようになるのか。そしてプレーが終われば、フェアウェイサイドヴィラで至福の時を過ごすことになるのだ。
Photo:Daisuke Omori
Text:Tsuyoshi Honjo
Hair&Make:Go Ikegami
Styling:Akiyoshi Morita
衣装提供:鎌倉シャツ

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2人だけでゆったりのんびりとプレーできるのは会員だからこそ。千葉バーディクラブでは随時会員を募集中。
千葉バーディクラブ千葉県八街市小谷流591
Tel:043-440-5888http://www.birdieclub.jp/
田中伸一(たなか・しんいち)
1956年6月8日、東京都生まれ、59歳。明治大学特別招聘教授。元グッチグループジャパン社長。7年前にアーリーリタイアを実行し、ゴルフを生き甲斐に自由気ままな生活を送っている。著書に『ダメ男がグッチ社長になったわけ』(マガジンハウス)がある。
西内ひろ(にしうち・ひろ)
1989年2月14日、福岡県生まれ、27歳。ファッションモデル、タレント、女優。2014年ミスユニバース東京グランプリ。趣味は写真や世界一人旅、ゴルフ。東京マラソンにも挑戦している。著書に初エッセイ本、『準グランプリ』(宝島社)がある。2002年ミスユニバースジャパンファイナリストでフォトグラファーの大島央照との写真紀行『#PASSPORTBOOK vol1 in Cuba.』が2016年初夏に出版予定。魅惑のキューバを旅したくなる一冊だ。http://passport-book.com
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