JUNの中心メンバーであるという意識を持ち、若い世代に良い経験をさせていく
90年代後半から隆盛を極めてきたセレクトショップで、シーンを盛り上げてきた方々が40代を迎えようとしています。ファッションの最前線に立ち続けてきた、気になる注目のオトコたちが40代を迎えるにあたって考えていること、会社内での取り組みやプライベート事情までを、彼らと同世代でありファッションの編集者という立場で見続けてきたFORZA STYLEのシニアエディター谷中がヅケヅケと訊いていく連載企画。
3人目は、アダム エ ロペ事業部長 兼 ビオトープ ディレクターの迫村岳氏にインタビューを敢行しました。前編はこちら。
谷中:ここまで結果を出してきて、それではここから先の40代の10年で思い描いている目標を教えていただけますか?
迫村:諸先輩に「5年後の自分を想像しながら働かないとダメ」って言われたりするんですが、今まであんまり実行したことがなく、先を考えてきたことがなかったんです。40歳を前に自分がやりたいことが明確になってきて、例えば今JUNという会社にいるなら、どう階段を上っていくか、もし会社にいなかったとしても、世間に「いい店があるね」って言われるお店があって、そこを手掛けたのが自分っていう結果を残していきたいです。自分にスポットが当たって有名になりたいという欲はなくて、例えば「ビオトープって最初熊谷さんがやってたけど、抜けてからできた大阪のお店も良いよね。あれ、誰がやったの?」って言われることが一番嬉しいので、そんな風に評価してもらえるお店をどんどん出していきたいなと思っています。
谷中:役職が就いたことで感じる、ネガティブなプレッシャーはありますか?
迫村:結果が求められるので、結果が出せなかったらというプレッシャーはありますが、一方でポジティブに考えれば「自分が責任を持つ」って言えれば、経営陣も理解してくれて、色々なことがやりやすくなると思います。今までもJUNという会社には嫌なレイヤーというのは感じなく、直接経営陣と話をして、たくさんアドバイスを貰いながら前に進むことができたんですが、それがさらにやりやすくなると思うと、結果を出すプレッシャーは感じますが、楽しみの方が大きいです。
谷中:ちなみに、会社としてJUNとして掲げる目標みたいなものってありますか?
迫村:いまJUNは「YOU ARE CULTURE」というキーワードを掲げていて、経営陣が語ることを自分なりに咀嚼して伝えないといけないと思うんですが、例えば2020年までに売上高を1000億にしましょうとか、そういうことではなくて、提供するもモノの質を高めていくことが重要だと感じています。それは企業の考え方を乗せた商品だったり、店舗だったり、スタッフだったり、そういうことをどれだけ強く世の中に発信していけるかを考えていくことだと思います。アップルの製品を買うときって、デザインで選ぶことはもちろんありますが、そこに流れる哲学に共感して買うとか、アウトドア商品でもノースフェイス選ぶ人とパタゴニア選ぶ人がいて、ギアそのもののデザインで買うというよりは、その思想みたいなところにお金を払うとか、だいぶ大きな話のような気もしますが、これからはそういうことをやっていかないと「モノって伝わっていかないよ」ってメッセージだと捉えているんで、自分もJUNの中心メンバーであるという意識を持ちながら、そういう活動を社員にも促していかなくてはいけないし、自分自身も表現していかないといけないと思っています。

谷中:次の時代を担っていって貰うために後輩にしている具体的なアプローチってあります?
迫村:これからもっと組織の中で管理職的な面が増えていくと考えたときに、若い世代には、彼らだから経験できたことっていうのを身につけて貰いながら、僕が経験させて貰えたようなことをどれだけ経験させてあげられるかっていうのが大事だと思うんですよ。そうすれば、彼らの引き出しの幅も広がると思うので。僕自身もビオトープを立ち上げるときに、代表の佐々木と熊谷さんと3人で世界中の色々なところを回って、「このレストランは良い」とか「この植物が良い」とか「こういう店構えが良い」とかを見て体感させて貰うとともに、彼らが文化度の高い会話をしているのを聞いて、なんとなく理解しながらも知らない単語が出てきたらメモって、後で調べて納得するみたいな。そういう経験をすることで価値観や視野がどーんと広がって仕事の幅にも繋がったので、これからは生え抜きの社員にいかに経験させてあげられるような組織作りをしていきたいです。
谷中:それをみんなに体験させてあげられたら、そうとう強固な会社になりそうですね。
迫村:一方で、外からの血を入れるっていうのは必要なので、そこを上手に見極めていきたいんです。どうしても外の人の経歴って良く見えるじゃないですか?
谷中:自分を売り込むためだから、増し増しで表現されていますしね。
迫村:だから、いざ外から高いポジションで採用したら、じつは生え抜きのスタッフの実力の方が上で正当なバランスが取れていないっていうのは往々にしてあると思うんですね。それって正確に判断するのが難しいんですが、かつてのように一社で続けていくという感覚の人は少ないし、今後そのような考えが色濃くなっていく中で、より実力主義思考が強まっていくと思うんですよ。ただ、まだイマイチ根付いていなくて、実力もないのに高い評価を得てジョブアップをしてる方って多いじゃないですか?
谷中:多いですよね。なんとなく渡り歩いて、役職だけどんどん上に上がっていってる人。実力ともなってないでしょ?っていう。
迫村:そういう外の人たちが入ってくることで生え抜きの若手の芽が摘まれるようなことを無くしたいし、一方で生え抜きだけだと凝り固まって弱くなってしまうので上手くバランスを取れるような目線を持っていきたいですね。
谷中:人材の確保とコントロール、適材適所への配置など、メチャクチャ難しそうですね…。そんな中、息抜きというか上手くリラックスさせる方法なんていうのはあるんですか?
迫村:そこが上手くいってなかった時期もあったんですが、最近は大丈夫かな。特に突出した趣味があるとかじゃないし、休みの日は嫁と知らない街、降りたこともないような駅で降りてブラブラと散歩したり、昔から買い物がとても好きなので相変わらず服のことばっかり考えてるところはありますね。
谷中:それは年齢を重ねても変わらずですか?
迫村:変わらないと思います。

谷中:40代の人生設計的な話はあるんですか?
迫村:それ、耳が痛いです…。若いときって、まずはファッション業界で働くっていう喜びで、とにかく服買って夜遊びもするから全然食費が足りない。そんな生活が続くと「このままじゃマズイぞ」って、まずそこで辞めて普通の仕事に変わるか、続けるかの選択があると思うんです。自分の場合は、バイヤーになってステップアップして給料を上げて、それまで死ぬほど使ってきたお金を取り返すぞって思ってたんです。
谷中:服屋で働き続ける人たちって、大概そう考えますよね。結構破綻する人が多い中、結果を出しているので、実現はしそうですが。
迫村:ただ、生活水準はあんまり変わってない。入るお金が増えたとしても、出るお金も増えるので…。でも、今までこうしてきから今の自分はありますし。
谷中:自分もそうですが、ひたすら自己投資をしてきたから、今のポジションに辿り着けていると思いますしね。
迫村:はい。とはいえ、家族もできたので、これからはバランス良く使っていかなくてはと思っています。自己投資と将来の生活とのバランスを上手く考えていきたいですね。
谷中:もう、いい大人ですからね。プライベートが充実するとともに、JUNでも結果を出していくことを期待しています。今日はありがとうございました。
Text:Ryutaro Yanaka
Photo:Shota Matsumoto

迫村岳
アダム エ ロペ 事業部長 兼 ビオトープ ディレクター
大阪でのショップスタッフなどを経て、アダム エ ロペ白金台本店の店長に就任。その後、アダム エ ロペ ビオトープのバイヤー、アダム エ ロペのディレクター 兼 ビオトープのディレクターに就き、2016年春、事業部長に。
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