大人の楽しみは、 いい寿司屋で決まる
35歳の編集部員サトシーノが小誌編集長の干場から大人のコーディネートを教わる好評企画。今回のテーマは「寿司」。一体なぜ?
サトシーノ:干場さん、今日は「魁、干場塾!」の取材って聞いてるんですけど、こんなところでファッションの勉強をするんですか?
干場:今日はファッションじゃなくて、「食」の勉強。いくら良い服のことを知っていも、それだけでは格好良い40代にはなれないからな。俺が昔から通っている寿司屋「鮨やじま」に連れていくんだけど……。ここはただの寿司屋じゃないんだ。「エロサバ寿司」を味わえるお店なんだよ。
サトシーノ:〆鯖か何かですか? そもそも「エロサバ」って、干場さんが提唱する「エロいコンサバ」の略でしたよね。
干場:甘い、オマエは甘すぎる。そして浅い! 「エロサバ」というコンセプトは、何もファッションだけに当てはまるものではないんだ。「寿司」は和食の中では実にコンサバで普遍的な料理だろ? しかし、握る職人さんによっては、非常にセクシーに変化するんだ。ほら、見よこのマグロを!
サトシーノ:こ、これがエロサバ寿司ですか。ツヤツヤしていていかにも脂がのっていそう。おいしそうだな~。
干場:バカ、のんびり眺めてんじゃないよ! すぐ食べなきゃエロさがわからないんだよ!ほら、早く。吸って、吸って!
サトシーノ:え?え? そんなに焦って食べるんですか?
干場:ここは寿司が出るテンポが早いから、出されたら、すばやく吸うように食べるのが基本なんだよ。シャリに空気をはらませるように緩く握ってるから、その繊細さが失われる前に、ほら吸って。
サトシーノ:(吸って)口に放り込んだ時の、シャリとネタの舌触りがとろけるようです。
干場:フフフ~。気が付いたか? ここの寿司を俺が「エロサバ寿司」と呼ぶのがわかるだろ? 握りの手つきは大雑把に見えるけど、食べた時の口の中でのまったりとろける、熟れた感じが官能的なんだ。
サトシーノ:これは……知らない方が幸せなくらい、クセになる美味さですね!それにしても、テンポが早くてついて行くのに必死です(笑)。
干場:あと、ここの日本酒がまたいいんだよ。「飛良泉本舗の山廃純米酒」。この飛良泉とエロサバ寿司を合わせると、感動するほど官能的なハーモニーが味わえるんだ。
サトシーノ:おおお!口の中で 絡まり合ってる~。完全に「R指定」の組み合わせです(悶絶)。
干場:意味がわからんわ(笑)。ここの玉子も絶品なんだ。寿司ネタと同じようにフワッフワなんだよ。
サトシーノ:ダメだ、病み付きになってしまう……。「エロサバ寿司」よ永遠なれ! バンザーイ!バンザーイ!
干場:こら、 恥ずかしいからとりあえず座りなさい! まったく落ち着きない奴だな~。おやっさんに、怒られるぞ!
サトシーノ:干場さん、今日は、今までで一番タメになった神回でした。ごちそうさまでした(敬礼)、
干場:現金なやつだな。ご飯粒いっぱい付けて、目キラキラさせやがって。服だけじゃなくて、食の一流も勉強しなきゃ格好良い大人になれないからな。
Photo,Taxt:Satoshi Nakamoto
【問い合わせ】
鮨やじま
03-3499-6019
東京都渋谷区東1丁目26−31