名イタリアンファクトリーだから
成しえた“軽さ”を追求した一着
40代の男性が持つべき逸品を紹介する当コラム。第4回となる今回は、ゼロナインゼロナインのスーツをご紹介します。
このブランド名、聞いたことのない名前だ、と思われる方も多いことでしょう。それもそのはず、この春日本初上陸を果たしたばかりのファクトリーブランドなのです。
イタリアの“かかと”、プーリア州でさまざまなブランドのOEMを請け負っているファクトリーから誕生したゼロナインゼロナイン。これまで多くの高級ブランドのスーツを請け負ってきただけあって、その品質には目を見張るものがあります。
今回ご紹介するこのスーツの最大の特徴は、驚くほどの“軽さ”にあります。まず、ジャケットは、胸まわりのみに薄い芯地を施しているだけで、副資材をほぼ使用しておりません。芯地をたくさん使えば、その分だけ複雑なラインを出しやすいのですが、当然その分重くなり、着心地は悪くなりがち。一方、芯材を使わないとペラペラで立体感のないものになっていまいます。が、こちらのスーツは、少ない芯地で軽さを追求しながら、長年培われてきた技術力によって、美しいラインも同時に表現しています。
美しい弧を描いた上襟、きれいにロールした下襟、身体を包み込むようにシェイプした胴まわり、収まりのよいロールの前合わせなど、逸品ジャケットの条件であるディテールが数多く盛り込まれています。
ジャケットの着丈はやや短めで、パッチポケット仕様。パンツはすっきりとコンパクトなスリムテーパードのシルエット。と、今の気分が反映された軽やかなデザインとなっています。それぞれを単品使いするのもおすすめです。
生地は高級服地メーカー、エルメネジルド ゼニア社の「シャン」を採用。この生地は、ウールに5%のシルクをブレンドした綾織りで、上品な艶とふわりと軽やかなドレープが出るのが特徴です。高級感がありつつ、吸湿性や軽さを備えている、湿度の高い夏場に最適な素材といえましょう。
軽くて吸湿性を備えながらも、高級感ただよう「ゼロナインゼロナイン」のスーツは、日本の蒸し暑い夏にぴったり。コストパフォーマンスが高く、暑くともクールな着こなしを目指すビジネスマンにとってリアルに“欲しい”を叶えた逸品なのです。
動画では、バーニーズ ニューヨークのメンズ バイヤー亀谷恵介さんに、その特徴と魅力を語っていただきました。こちらもぜひご覧ください。
【商品データ】
今シーズンはバーニーズ ニューヨークのみでのエクスクルーシブ展開となっています。明るめのネイビーにチェック柄が今年らしさを感じさせる一着です。スーツ¥99,000/ゼロナインゼロナイン(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター)
【問い合わせ】
バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター 0120-137-007
Photo:Yasuhiro Ito
Styling:Masaki Saruwatari
Text:Yoshie Hayashima
【バックナンバー】
【連載】イケフォー逸品図鑑
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