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5つのキーワードで知る“ナポリの粋”
第3回:ナポリの恋愛事情

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奥深いコーヒー文化をもつイタリア人にとって、美味しいコーヒーは優れた創造力の源とされている。エスプレッソ発祥の地・ナポリを代表するブランド 「KIMBO」のコーヒーを愉しみながら、編集長の干場義雅と国際的なキャリアを持つエスプレッソスペシャリスト中川直也氏が、ナポリの魅力的な人・場 所・暮らしについて、全5回の対談で語り合う。

干場義雅(以下干場) イタリア人の人生観を表す言葉として“マンジャーレ(食べて)、カンターレ(歌って)、アマーレ(恋をして)”というのがありますよね。何年か前にジュリア・ロバーツ主演で、それをもじったタイトルの映画がありましたね。

中川直也(以下中川) それ、『食べて、祈って、恋をして』(2010年公開 アメリカ映画)でしたっけ。

干場 そうそう。ニューヨーク在住の女性ジャーナリストが離婚をきっかけに人生の出会いを探してひとり旅に出る、ってストーリーだったと思います。ナポリもロケ地になっていて、ジュリア・ロバーツがピッザァを美味しそうに頬張っていたのが印象的でした。

中川 ピッザァを食べていたのは、ナポリ中央駅から歩いて10分ぐらいのところにある「ダ・ミケーレ」でしたね。

干場 でも残念ながら、あの映画で“恋”はイタリアで起こりませんでした。僕らがイタリア人の恋愛と聞いて連想する情熱的なイメージってどこからきているんでしょう?

中川 僕も対談のテーマが“イタリア人の恋愛事情”だと聞いて、ナポリを舞台にした映画を思い返してみたんですよ。50年以上前の作品だと『ああ結婚』(1964年公開 イタリア映画)っていうのがありましたね。これはソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ出演の人情喜劇でしたけど。

干場 それは僕も観たことがあります。典型的なダメ男とたくましくて情の深いナポリ女の姿を描いた映画ですよね。最初にナポリの街並みの美しさに目を奪われて、いろいろあったけれど、最後には気持ちよく泣ける。すごくいい映画でした(笑)

中川 イタリア人の気質を大雑把にいってしまうと、おおらかで、楽天的で、陽気。自国の文化に誇りをもっていて、義理人情に厚い。あとおしゃべり好きな人も多いですね。それが南に行けば行くほど、濃度が上がっていくんです。

干場 北イタリアは、陸続きで諸外国と接していて侵略や攻撃の歴史も多かったせいでやや閉鎖的な性格の人が多い、というのを聞いたことがあります。確かに同じイタリア人でもシャイな人が多いですよね。逆に南イタリアは、地中海に面していて特産物も豊富だし、気候が温暖ですからね。そりゃ陽気な気分にもなりますよ(笑)

中川 女性へのアプローチの仕方も、南のほうが積極的ですよね(笑)

干場 わかります。ナポリ出身の友人なんか、カフェで仕事の打ち合わせしている最中でも、気になった女性がいればすぐに飛んで行きますから(笑)

中川 そうですよね。僕の友人もまさにそのタイプ。以前、“ナポリではみんなそうなの?”って聞いたことがあるんですよ。そしたら“当たり前”だって(笑)

干場 女性を口説くのが上手で、ナンパの頻度も高いですよね。彼らにとっては、口説かないのが失礼だという感覚ですからね。“今日もきれいだね”“セクシーだね”とかいうのは女性に対する礼儀だと。だから、女性を褒めないのは、その存在を無視しているみたいで礼儀に欠けるっていう理屈なんですよ。決して下心があるからじゃないって(笑)

中川 それも言葉巧みです。ストレートで歯の浮くようなセリフを平気でいいますからね。夕方以降のバールではそんな光景にしょっちゅう出くわしますよ(笑)

干場 イタリア男って基本的に優しいですからね。僕の友人は彼女ができると、とにかくそのコを愉しませることに夢中になるらしいんですよ。ナポリの周りって素晴らしい景観が多いから、海でも、山でも、星空でも、女性が喜ぶような場所全部に連れて行ってあげるといっていました。ドライブはもちろん、クルーズも向こうでは普通ですし。

中川 レストランでも絶対に女性に支払わせませんよね。花束なんかも照れずになんでもない日でもプレゼントしますしね(笑)

干場 彼らがモテるのもわかりますよ。本当、気遣いが上手いから(笑)

中川 女性も面白くて陽気な人が多いですよね。意外に従順なところもあるみたいですが、損得勘定を抜きにして、いいたいことをはっきりいうから、日本人には少しきつい性格に思えるかもしれませんけれど。あと、みんな料理上手です(笑)

干場 確かに、みんな料理上手ですよね。友人に招かれて家に行くと、出てくる料理が全部美味しい。イタリア男は、まず胃袋をつかまれるんでしょうね。彼らがほぼ全員マザコンだっていうのもうなずけますよ(笑)

中川 なんといっても、世の中で出会う最初の女性がマンマですから。マンマのいうことは絶対です!(笑)

干場 なるほど(笑)

中川 コーヒーの淹れ方ひとつとっても、クックマ(ナポリ伝統のコーヒーメーカー)はなるべく洗わないほうがコーヒーは美味くなるって信じている人もいますし。それで“なんで?”って聞くと、“マンマがそういうから”っていうんですよ。あとはクックマにコーヒーの粉を入れるときも、粉を固めたり、入れたあとに十字を切るとか、二本線を入れるのがいい、とかいう人もいます。科学的根拠はまったくないんですけど(笑)

干場 マンマがこうやれって(笑)

中川 そうなんです。なので、キンボ社としてもコーヒーの正しい淹れ方の普及に努めているんですけどね。話は脱線してしまいましたが、マザコンが多いっていうのもある意味、女性崇拝のような文化がしっかりと根付いているからなのかもしれませんね。イタリア人を見ていると、男性は女性をとても大切にしますから。

干場 そうですね。でも面と向かって女性を褒め続けるのって、なかなかハードルが高いですよ(笑)

中川 干場さんならきっとできますよ(笑) 

干場 “君は僕と出会うために生まれてきたんだよ”とか……いや、絶対にムリムリ!(笑)

中川 でも正直、うらやましいと感じることがありませんか? ナンパした女性につれなくされても決してメゲない。はい、次、次って(笑)

干場 彼らにとって、人生とは“明るく陽気に楽しむもの”ですから。国民の約9割がカトリック教徒というのも、そういったイタリア人気質のベースになっているのかもしれませんね。

中川 その友人がいうには、仕事に喜びを見出すのではなくて、遊ぶために仕事をしている、って。そして、人生を謳歌するために欠かせないのが、食べること、しゃべること、歌うこと、踊ることと、あとはサッカーと恋愛らしいです(笑)

干場 最上位はやっぱり恋愛でしょうね。恋愛は人生を芳醇なものにしますから。僕も少しは見習わないとなあ(笑)


▶第4回 ナポリのおもてなし
、に続く

Photo:Tsukuru Asada(Secession)
Text:FORZA STYLE
Cooperatiom:COHIBA ATMOSPHERE TOKYO
(Sponsord)
 

【問い合わせ】
モンテ物産株式会社
0120-348-566 
平日9:00∼12:00、13:00~17:30(土・日・祝日休業)
http://montecp.jp/kimbo/

干場義雅(ほしばよしまさ )
「FORZA STYLE」編集長/ファッションディレクター
雑誌「LEON」の創刊に参画し、“モテるオヤジ”や“ちょいワル”ブームの立役者としてヒット企画を手掛ける。独立後は、新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、 イベント、ブランドプロデュースなど、その活動はメディアの枠を越えて多岐に及ぶ。2015年に「FORZA STYLE」の編集長に就任。

中川直也(なかがわなおや)
エスプレッソスペシャリスト
イタリア国際カフェテイスティング協会(IIAC)認定講師兼バリスタIIAC のマスタープロフェッショナルの称号を持つ、イタリアエスプレッソ協会認定エスプレッソスペシャリスト。2015年よりモンテ物産(株)KIMBOブラン ドマネージャーを務める。カフェに係らず、イタリア食文化全体の普及活動を続けている。
 

 







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