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ナポリに根付く思いやりの精神

奥深いコーヒー文化をもつイタリア人にとって、美味しいコーヒーは優れた創造力の源とされている。エスプレッソ発祥の地・ナポリを代表するブランド 「KIMBO(キンボ)」のコーヒーを愉しみながら、編集長の干場義雅と国際的なキャリアを持つエスプレッソスペシャリスト中川直也氏が、ナポリの魅力的な人・場 所・暮らしについて、全5回の対談で語り合う。

干場義雅(以下干場) この連載も第4回です。今回のテーマは“ナポリのおもてなし”についてです。中川さん、ナポリ人にもてなされた経験はおありですか?

中川直也(以下中川) もちろんありますけれど、随分と難しいテーマできましたね(笑)。

干場 イタリア滞在経験の長い中川さんだったら、語れることも豊富にあると思って(笑)。

中川 干場さんって、イタリア人に負けず劣らず楽天家ですよね。こっちはネタ枯れしれそうでヒヤヒヤしているのに(笑)。でも確かに、彼らは間違いなくもてなし上手です。

干場 ナポリの人たちって、周囲に心地よさを提供したいって気持ちを常にもっていますよね。ファッションにしても、相手が緊張しないようにエレガントな格好でも少しくずして、わざとリラックスして見せるとか。これも他者への配慮だと思うんですよ。

干場 人間味がありますよね。困った人を見かけると、つい手助けしたくなるって。

中川 で、そんなナポリ人の気質を表す“カッフェ・ソスペーゾ”という、ナポリ特有の昔からの風習があるんですよ。これはバールで次に来る人、あるいは普段はエスプレッソをバールで飲めない人たちのために、あらかじめ2杯分の料金を支払って、そのうちの1杯をその人たちのために使うようにとバリスタに頼むことなんですね。最近だと、募金としても広がっているんですけど、すごくスマートなやり方だと思いませんか。

干場 貧富の差が激しい土地柄というのもあるんでしょうけど、そういうのは本当に“粋”ですよね。

中川 そうでしょう。すごく格好いいですよね。

中川 みんな“コーヒーの専門家”ですからね。前回の対談のときもいいましたけれど、それぞれの家庭にそれぞれの淹れ方があって、みんな自分のやり方が正しいと思っている(笑)。

干場 そうなんですよね。しかも彼らは“ナポリのエスプレッソをほかの土地で再現するのは不可能だ”なんていいますからね。でも、イタリア人に“美味しいエスプレッソを飲める街はどこか?”って聞くと、みんな“ナポリ”って答えるぐらい、国民のなかに美味しいコーヒーが飲める場所として浸透している。自慢のコーヒーでもてなしたくなるのもわかりますよね。

(次ページに続く)



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