ロールスロイスにも匹敵する静かさ!?
「まったくもってビューティフルなマシンだね!」
試乗したボリス・ジョンソン、今やロンドン名物のひとつに数えられる市長がこう断言しています。ボソボソ声でよく聞き取れませんが「ロールスロイスにも匹敵する」と言っているようにも……。
「スムーズで静か」「電気自動車だから、ノイジーなディーゼルとぜんぜん違う」「実に印象的だ。面白くて、エレガントでスムーズ。しかも快適で広い。アイ・ラブ・イット!」「ニューヨークのタクシーよりいい!」「ファンタスティック!」「排気ガスがゼロこそ望まれている」
ジョンソン市長の後に出てくる紳士淑女も大絶賛。ロンドンでは、昨年秋から電気自動車が実験的に走り始めているのです。「ニュー・メトロキャブ」と呼ばれるこのクルマの感想を集めたビデオが、さる3月19日に発表になりました。当のメーカーの宣伝ビデオだから、大絶賛なのは当然。とはいえ、保守的なのに革新的でもあるイギリスは、やっぱりなんというか革命的です。
「ニュー・メトロキャブ」の大きさは、ちょうどトヨタの大型ミニバン。最近、バカ売れしているアルファードやヴェルファイアぐらいです。後輪を駆動する電気モーターが2基付いて、それぞれ右と左を担当。電池は、床下に薄く延ばされて敷かれ、前に排気量1ℓの小さなガソリンエンジンが配置されています。エンジンはあくまで発電用で、タイヤとはつながっていません。いわゆるレインジエクステンダーと呼ばれるタイプの電気自動車です。
普通の電気自動車なら、電池が切れたらオシマイですけど、このタイプはエンジンがいざとなっても発電してくれます。でも、ガソリンがなくなったらどうするのか? 近くにガソリンスタンドがない!? そういう事態はあまりにマヌケで喜劇的でもありますがご安心を! そんときはご近所で電気をわけていただく。プラグインでの充電もできるのです。近くに家がないときは、あきらめるしかないですが(笑)
ニュー・メトロキャブで驚くのは室内の広さ。客室は後ろ3人がけ。昔ながらのロンドン・タクシー同様、対面シートもついています。オプションの助手席をつけると、なんと7人も乗れます。観光客用に天井はガラス。室内が明るく、広さも強調されるのです。
ドライバーにとってはどんなメリットがあるのか? まず燃料代が大いに節約できます。電気自動車でエアサスだから乗り心地もよくて快適。WiFiもついています。車イスも乗せやすい……等々をメーカーはあげていますが、なんといっても丸みを帯びたデザインがいかにもロンドン・タクシーっぽいのです。
走行試験はあと数ヵ月で終了し、エンジニアリングのツメを行って、遅くとも2016年の終わりまでに現実のものとするのだとか。生産はイギリス国内で行う予定。価格はまだ発表できないけれど、予想されているほどには高くない(高すぎたら売れない)。コストダウンのために我々は一所懸命やっています、とメトロキャブのホームページ(http://www.newmetrocab.com)にあります。排ガス・ゼロだから政府の優遇も期待できます、とドライバーにささやいています。
タクシーは都市の景観の一部と言われます。日本のタクシーのデザインってニュー・メトロキャブに較べたらどうよ? と申し上げようと思ったのですが……。いや、外国人の目から見たら、名古屋城みたいでクール、とってもエキゾチック・ジャパン、なのかもしれませんね。
Text:Naoki Imao
(写真/左から)
顔がいかにもロンドン・タクシーっぽいです。大事なことです。これがよもや電気自動車だとは!! LEDのヘッドライトが21世紀です。Uターンするのに7.62mしか要しません。
ロンドン市長のボリス・ジョンソン。この人、自転車好きの庶民派だけど、イートン校、オックスフォード大学出身で、優秀なジャーナリストでもあります。イギリスは奥が深いです。
全長4905×全幅1800×全高1925㎜。ホイールベース3181㎜。車重1750㎏と、電気自動車にしては軽い。最高速は80mph(約128㎞/h)に制限しています。
全幅がちょっと狭くて、背が高い。そんなプロポーションがクラシックに見えるのでしょう。丸みを帯びたお尻がキュートです。リアにゲートはありません。
電気をチャージするプラグイン・ハイブリッドです。50kWの電気モーターが2基ついています。最大トルクは2×1400Nmとあります。その気になれば、電気自動車は速いです。
肝心の後席をご紹介したかったのですが、これだとボリス・ジョンソン市長の写真ですね。本来は広いはずなのに、狭く見えます(笑)。
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