また4月がやってくる…。そう肩落とす小学生、中学生の親も少なくないはずだ。憂鬱さをもたらすPTAの役員決め。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「昨今ではPTAの参加が任意であることが知られるようになってきました。そこで問題になっているのが、参加している家庭としていない家庭における格差です。最近話題になったのが卒業記念品。会費を払っていない人がもらうのはおかしいという声がネットコメントなどに溢れる事態となっています」。
本来であれば、加入、未加入にかかわらずすべての子どもに平等にするのがPTAの在り方だそう。しかし、反発が生まれる気持ちも理解できる。今回はそんな物議を醸しているPTAからの記念品選びを昨年担当したと話す女性の話だ。
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浜中玲さん(仮名・45歳)は、昨年息子のPTAで卒業対策委員会に属することになったという。
「もちろん本意ではありません。ただ、1、2年と何の役員もやっていなかったので仕方なくやることになったっていうだけ。断りきれなかったとも言います。うちの学校の場合、前年度のクラス委員から電話がかかってくるんです。来年度、やってもらえませんか?って。それ断るの結構、気まずいんですよ。逃れられずやることになりました」。
玲さんの息子の学校では基本、PTAは全員参加の風潮だと話す。
「任意の団体とはいえ、ほとんどの人が加入している状況です。会費は年に一度、集金があって、未だに現金で集めるんです。忘れると電話がかかってくるんです。振り込みにしてくれれば、こんな思いをすることもないのに…」。
とはいえ、慣習はなかなか変わらないそう。
「提案しても何かと理由をつけて退けられるのがオチ。結局、みんな諦めるのでそのままって感じです。卒業記念品に関してもかなりへんてこりんなルールがあるんですよ」。
なんと記念品が2種類あるというのだ。
「ひとつがPTAからのもの、もうひとつが任意でお金を払うもの。前者はPTA会費からで、後者は保護者から別途資金を集めるんです」。
後者の資金は卒業アルバムなどの料金も含めたもので、思ったよりも高額なんだという。
「謝恩会の料金も合わせて3万8千円です。高くないですか?結局、コロナのことがあって謝恩会は中止になったのでその分は返金されましたけど、アルバムだけでも10000円以上かかるんです。このご時世なのにデータ化もない、いわゆる古めかしい卒業アルバム」。
昭和、平成時代とさほど変わらないアルバムが今も健在らしい。