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ダウンタウン松本の性行為強要問題をこじらせてる「擁護」&「バッシング」の違和感

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

文春による、ダウンタウン松本人志氏の「性行為強要」の話題。続報からの「テレビに出ない」宣言、さらには「私も過去、加害された」という人物の登場、それに対する賛否、バッシング、SNSでの殴り合い……もうグチャグチャですね。

この話題、本来は非常にシンプルな構図のハズなんですが、何でこんなグチャグチャになれるんでしょうか? だって、

・記事は事実か

・事実なら違法性はあるのか

この2点のみですよね、少なくとも今は。

「法に触れなければ事実でも許されるのか」と言われる方もいますが、事実でも違法性がなければ当事者同士の問題であり、少なくともアナタには関係ないですよね、という話です。

そしてこの2点について事実を知り得るのは当事者だけ。文春サイドですら、利害の絡む一方からの取材である以上、件の事実を知っているのは当事者のみです。

にもかかわらず……SNSで殴り合う何万人もの「部外者」の方々、不思議です。事実を知りえない者同士の殴り合いが、さしたる意味を持つハズもなく、例えば、

「自分からホテルの部屋に行ったクセに」

「いや、立場的に断れないケースだってあるだろ」

こんな議論「どちらもその通りですね、一般論では」としか言いようがない。実際はどんな状況でどうだったのか、それを今から裁判でケリつけようってタイミングで、一般論による殴り合いなんて意味が無いのです。

それなのに、蚊帳の外ポジションの方々がナゼこんな鼻息粗く青筋立てて殴り合えるのか、とても不思議です。

先週も書きましたが、事情を知らぬ部外者が騒ぎ立て、海外にまで報道された挙句「あれウソでした」というオチのついた草津の事件(「セカンドレイプの町」で検索)では、ウソに便乗して騒いだ連中のうち、正面からしっかり謝罪したのはごく一部。あとはダンマリでした。流石にダメでしょう。

今件も何が本当か分からないし、無論、私はどっちの味方でもありませんが、流石にみんな落ち着いてくれ、蚊帳の外なのに殴り合うんですか? っていう話なのです。

最近は松本氏が出演する番組のスポンサーにもクレームが来ていたそうですが、そろそろスポンサーも「キャンセルカルチャー」にどこまで付き合うのか、考えるべき時期でしょう。

今は殆どの人にとって「よう分からん」段階。にもかかわらず、このタイミングで御社にクレームを入れてくる界隈なんてちょっと「一般的」ではないし、下手したら顧客ですらない「ごく一部」の方々でしょう。それ考えたら、

「ああ、あの件は裁判で決着したら判断しますね」

で終わらせて良いと思うのです。今回に限らず今後もずっと。

スキャンダル対処の新テクニックか

ちなみに松本氏の「テレビに出ない」戦略は、リスク管理視点で見るとかなり興味深いものです。

だって視聴率を持っているタレントがテレビに出演しなくなれば、テレビ業界はシンプルに困るワケで、昨今の視聴率低下に苦しんでいる業界に向けて、この状況を作った文春を「敵視する空気」だって作り出せる(かもしれない)、つまりテレビ業界を味方に付けられる(かもしれない)のです。

また今後もし「法廷対決」で負けが決まったとしても、すでにテレビに出ていない状況なら、負けのダメージを最小限に抑えられる。むしろこっちの方が主な狙いかもしれません。

一見奇抜な「テレビに出ない」という手法も、実はかなり計算され、幅広いパターンに対応できる対処法なのです。

まあ、年明けから辛い話題ばかりですからね。今こそ「お笑い芸人さん」たちの出番なのでは。表舞台に残る方々、是非そのへんよろしくお願いします、ホントに。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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