「特別上手なわけじゃないですけど、不可ではないでしょう?もしこの生徒が、面接や試験で抜群の成績をおさめられるなら、志望理由書なんてこの程度でいいと思うんですよ。
推薦書も、該当する生徒の特長や受賞歴なんかをキーワードとして入れれば、平均的な文章を作ってくれますよ。おかしなところがあれば訂正しますし」
飄々とそう話す丈一郎さんだが、ちらりと生成AIで推薦書を作成してみようかなということを口にした時に、驚くような反応をされたので、以降、校内の誰にもその事実を告げずに、生成AIを利用しているそうだ。
「年配の先生に、『そんなことが許されると思っているのか!』って怒鳴られたんです。驚きましたよ。推薦書なんて、誰が書いてもどうせ似たような文章になるんだし、何が問題なのかはわかりませんけど、『心がない!信じられない!』みたいなことを言われました。
でも、うちの学校は、指定校推薦や公募制推薦などを利用する生徒が20人近くいるんですよ?!自分で一から作っていても、作りながら心なんて込めていませんよ」
丈一郎さんは、そうこぼしつつも、自分のしていることを周囲に口外することはやめたそうだ。
RANKING
1
3
4
3
4
5