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「ずきゅーん!ばきゅーん!ロリコン粛清!」では解決しない。元うたのおにいさん炎上で考える「ヤバイ性的嗜好の多様性との向き合い方」

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どんなにキモい「内心の自由」でも……

いや、ロリコンは病気なんだから治療して矯正すべきだろう、と言われる方もいますが、医学的な小児性愛の定義から見れば、殆どの「ロリコン」は治療の対象にすら該当しません。

ロリコンが合法コンテンツを楽しんでいる限りは、まあ個人的にはドン引きするし、友達にはなりたくないですが、受け入れ難い(特に子を持つ親にとっては)趣味、思想、脳ミソ内のどんなにキモい嗜好も「内心の自由」で守られなければならない。これは民主主義の基本中の基本なのです。

「切腹マニア」「全身ラバースーツ」ですら、先天的な性的嗜好というケースも(幼少期から異性に全く興味を持てず、なぜか時代劇の切腹シーン、ウルトラの母にだけドキドキすると悩んでいた方々が、大人になって自分の性的嗜好を理解し安心できた例も)あり、また道路わきの排水溝に潜り込んでは何度も捕まっているのぞき犯が「生まれ変わったら道になりたい……」と裁判でつぶやいた有名な事件もありました。

これら変わった性的嗜好で悩んでいる人たちに対し「LGBTと一緒にするな」と噛みつく方がいますが、実はそれ一番言ってはいけないこと。

かつてのLGBTには、まさにそう言われ続け、弾圧されてきた歴史があるからです。少なくとも昭和から平成の始めくらいまで、学校もメディアも、LGBTを「思春期の気の迷い」と否定していましたからね。同じことを繰り返してはいけないでしょう。

自分が理解できないこと、社会的に認知されていないことを否定する、これは誰しもがやりがちなことですが、だからこそ常に留意すべきなのです。

「キモい」「危険だ」「理解できない」。これらは今後、我々が「多様性」において直面する踏み絵。本来、多様性の旗手を自認するリベラルな方々が、最も活発に活動すべき分野、なのですが、いつの間にかリベラル=表現規制にご執心な界隈、という構図になってしまいました。不思議です。

どうせなら児童への犯罪に対するさらなる厳罰化とか、日の当たらない少数派へのフォローとか、そっち方面で頑張って頂きたいし、そっちの方がよほど重要だと思うんですけどね……。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)
※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです



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