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【中国BEV墓場は日本の未来か?】リチウムイオンバッテリーの危険性とは?

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■リサイクルの目途が立っていない、大量のリチウムイオンバッテリーの危険性

BEVに使われているリチウムイオン電池は、リサイクルする技術の目途が立っておらず、現状はリチウムイオン電池から、コバルトやニッケルといった希少な金属資源を「材料」として回収するのみ。しかもその抽出過程では、大量のエネルギー(CO2排出)が必要なことも課題とされています。

使用済みのリチウムイオン電池のほとんどは焼却処理をしてスラグ(精錬廃棄物)となり、埋め立て処理をされるそう。こうした「正しい電池の後処理」には当然お金がかかるため、倒産したカーシェア会社は、クルマを処分せずに放置しているのでしょう。

リチウムイオン電池は、リサイクルする技術の目途が立っておらず、現状はリチウムイオン電池から、コバルトやニッケルといった希少な金属資源を「材料」として回収するのみ。しかもその抽出過程では、大量のエネルギー(CO2排出)が必要

しかしながら、BEVが放置されていることについては、深刻な環境被害の懸念があります。劣化したリチウムイオン電池は衝撃が加わると発熱し、激しく燃えます。もしもBEVが密集した場所に落雷があるなどで、一台が発火したら、瞬く間に他車へと燃え広がってしまいます。

また、日本でも線状降水帯による洪水災害がしばしば発生していますが、中国でも豪雨による洪水がしばしば発生しているそうで、放置されたクルマが流され、何かの衝撃でダメージを受け、燃える可能性もあります。

もし、洪水で流されたBEVの電池から有害物質が流出することがあれば、深刻な環境被害を及ぼす危険もあります。環境のためだったはずのEV戦略が、使用済みリチウムイオン電池という「負の遺産」を大量生産してしまうこととなってしまったのです。

 

■BEVは選択肢の一つ、総合力でCO2削減を狙うのがゴールへの近道

中国による壮大な社会実験(経済政策)によって、BEV導入に関しては、大きな課題が浮き彫りとなりました。「CO2削減のためにBEVだけにする」と、頑なに拘ってきたEUですが、ここへきて方針を転換したと報道されています。

BEVは方策のひとつであり、唯一の解ではないこと、ハイブリッドや内燃機関、燃料電池などの総合力で戦う道こそが、環境問題に向き合う道であり、自動車メーカーに求めたいことです。中国で起きていることを「対岸の火事」として傍観せず、我々は冷静な目で、CO2削減にとって本当に効果的な策を導き出していきたいところです。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:Adobe Stock



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