■他社が追従できない低燃費で、520~644万円はお手頃
NXはまた、低燃費による経済性も魅力だ。NXの最人気グレードは、2.5Lガソリン+ハイブリッドのNX350hで(7月登録台数は2493台)、次いでプラグインハイブリッドのNX450h+(476台)、2.5LガソリンのNX350(366台)、そして2.0LガソリンのNX250h(251台)となっている。
最量販グレードのNX350hのエンジンは、最高出力140kW(190PS)/6000rpm、最大トルク243Nm(24.8kgm)/4300-4500rpm。ここに組み合わせるフロントモーターの最高出力は134kW(182PS)、最大トルクは270Nm(27.5kgm)、E-Fourのリアモーターの最高出力は40kW(54PS)、最大トルクは121Nm(12.3kgm)となる。
街中からワインディングまで、過不足なく、スムーズかつ強い加速が可能と評判も高い。
しかもこのNX350hは、燃費が20.9~22.2km/L(WLTCモード)、AWDでも21.6~19.9km/L(同)という驚異的なレベル。実燃費だと0.8掛け程度だが、欧州の高級ディーゼル車でも、なかなか達成が難しいレベルだ。
730万円オーバーのNX450h+はワンランク上なので置いとくとすれば、520万円~644万円でこのパフォーマンスが手に入るNX350hは、実にお手頃なモデルといっていいだろう。
また、NXは売却まで優秀。先代NX300hの中古車相場は、5年落ちの2018年製造車が約308万円~540万円。4年落ちの2019年製造車が約338万円~549万円、3年落ちの2020年製造車が約430万円~598万円と、3年落ちの中古車としては、非常に高い残価率となっている(良質の個体を選ぶため走行距離は3万km以内とした)。
中古車買い取り専門店によると、NXの中古車の相場が高い理由は、先代NXが海外へ多く輸出されているためだという。なかでも、マレーシアに多く輸出されており、しかも装備充実した高級グレードであるほど、下取りは高く行われる傾向にあるという。当然、現行NXも同様に高いリセールが期待できる。見てよし、走ってよし、売ってよしのNX。今後も活躍が期待できる一台だ。
Text:Kenichi Yoshikawa
Photo:LEXUS
Edit:Takashi Ogiyama