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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

韓国人DJ「SODA」さんの痴漢騒動。騒ぎになってからもう2週間以上ですが、SNSには今でも本件に関する投稿が続いています、まあそうなるよね。

言うまでもなく、今件は運営・マネージメント側の完全な失策であり、演者と観客をあんなに近い距離で接触させれば、テンパったファンがうっかり演者の顔を引っ掻いたり、アンチが薬品をかけたりする可能性だってあったワケです。

「過去10年やっていて、こんなのは初めて」

だそうですが、実際に被害届を出す事案が起きてしまっている以上、運営側のリスク管理に問題があったと言われても仕方がないでしょう。少なくとも今後は、距離を確保した「疑似的な接触」にすべき。というか、もう面倒が起きないよう是非そうしてくれ。

この騒動を発端に、SNS上では大きく2つの殴り合いが発生、地獄になっています。

【地獄1】
「セクシー売りの演者が群衆に飛び込めばそうなる。自業自得だ」

「いや、いかなる理由でも犯罪を受忍する謂れはない」

はい、事案の背景と法令順守を混在して殴り合っていますね。絶対に着地しないヤツです。スリや置引きが多発する「ミラノ中央駅」でカバンを放置したら盗まれるのは当然。でも、だからと言って犯人が許されるハズはない。それと同じ話でしょう。なぜこんなズレた論点で殴り合えるですかね。

【地獄2】
「だから男はダメなんだ」

「は? 女だって触っているだろ」

あの……本件は個々人が引き起こした事件ですよ。にもかかわらず、なぜ性別というデカすぎる主語で議論を始めるんですかね。終わらない殴り合いになるのは当然です、実はみなさん揉めたいだけなのでは?

この2つの地獄に「嫌韓」勢や「だから日本はダメなんだ」の出羽守(でわのかみ)勢が加わり、更にはまとめサイトが「雑で煽るタイトル」を投下して火に油、グチャグチャニなって今に至るワケです。非常にインターネットっぽいですね。

こんな地獄のSNSでも、ちょっと面白かったのが「服装の自由」に関するやりとり。SODAさんって露出度の高いコスチュームでも有名なんですが、それを指摘して「胸を触られたくらいで、何を今さら騒いでいるんだ」というちょっとズレたツッコミがあったんですね。それに反応してあるアカウントが、

「誰でも好きな服装で過ごす自由がある、見た目で判断するな」

と反論。うん、まったく以てその通り。でもその方、実は過去に「萌えイラスト」の衣装がワイセツだと批判していたことが発覚し、「特大ブーメランじゃねえか」と温かな笑いを誘っていたのでした。

短パンだっていいじゃない……

でも実際、人って見た目で判断されますよね。私と面識のある方はご存知だと思いますが、私の装いは短パンTシャツが基本です。温暖な季節の序盤、中盤、終盤いずれも、スキのない短パンTシャツで過ごしたいと思っています。出来ればテレビ局も警察庁も短パンTシャツで行きたい。

とにかく汗っかきなので、温暖な時期に「上着」とか「長ズボン」とか死にたくなるんですよ。でもそれを押し通すのは無理。なぜなら人は見た目で判断されるから。

名の知れた大企業で講演する時は、たとえ真夏でも長ズボンにジャケットを羽織って出掛けます。だって「またアイツ呼ぼう」ってなった時に、お固い上層部が「あの短パンで来た野郎か? あんなのダメだ、もう呼ぶな」と言われちゃうと困るじゃないですか。人は見た目で判断されます。

以前、NHKの朝の番組に呼んで頂いた時にも、やはり「長ズボン」で行ったんですが、うっかりダメージジーンズを履いてしまい、それが画面に映り込み、実家の母親から「ひざ小僧が見えていた」というクレームが入りました。いい歳をしたオッサンが80過ぎの母親に心配をかけるくらい、人は見た目で判断されるのです。

ファッションが自己表現である以上、見た目で判断されることは避けられません。早く「アイツなら短パンでも仕方がない」と諦めてもらえるよう頑張ろうって思いました。あれ、なんでこんな話に?

 

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。

 



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