■「安っぽく感じ、トヨタがいうほど視界もよくない」との声が
トップマウントメーターに関して、SNSで指摘されているひとつが、メーター本体の「安っぽさ」です。昨今では、日産の「ノート」のように、200万円程のエントリークラスであっても、高級感あるデジタルメーターが採用されていますが、それと比較してしまうと、プリウスのトップマウントメーターは小さく、物足りなく感じるのは確かです。
日産ノートでは、5インチと7インチの2つのメーターを、1つの大きなディスプレイのように見せており、価格を超えた高級感があります。ノートの上級版のノートオーラ(300万円前後)になると、メーターは12.3インチにまで拡大、メーターが大きいため様々なデータが表示されており、さらに質感が高く感じられます。
画面が小さいことから、表示できる項目をあえて減らしていることも、安っぽさを感じてしまう点となっているようです。また、視界に関しても、トヨタがアピールするほどにはよくない、という声も多いです。視線移動は少なく、前方視界とメーターでの視線移動ではピントが合わせやすいようになっていることは確かなのですが、ステアリングホイールが被さっていることで、そのピント調整の邪魔をすることがあり、かえってピントを合わせづらいことがあるそうです。
前述したように、トヨタはこのトップマウントメーターをバッテリーEVのbZ4XやレクサスRZにも採用していますが、ステアリングホイールの上半分をカットした「ヨークハンドル」が今後設定されることになっており、そうなると前方視界は一気に拓けてメーターも見やすくなり、トップマウントメーターのよさが存分に発揮されることになるでしょう。プリウスも、ヨークハンドルをセットで採用することができれば、もう少しよさが発揮されたのかもしれません。
■あと一歩のチャレンジで最高のコクピットになるはず!!
現行プリウスは、歴代プリウスの中でも、エクステリアデザインの完成度が最も高いと評価されており、それだけに、液晶メーターの見づらさが悪目立ちしてしまっているように思います。あと一歩のチャレンジで、最高のコクピットが完成するはず。今後のプリウスのチャレンジに期待したいところです。
Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:TOYOTA,LEXUS,NISSAN
Edit:Ogiyama Takashi