■奇抜なデザインから、おしゃれで機能的なデザインへと生まれ変わった
現行シエンタの強みのひとつが、おしゃれなエクステリアデザインだ。ボディサイズはコンパクトな5ナンバーサイズに収めながら、先代の奇抜なデザインから一転、フレンチな香りが漂うオシャレカワイイ系へと進化しており、サイドガードやフェンダーデザインなどは、ルノーカングーやシトロエンC3のような雰囲気を漂わせている。
先代のシエンタは、2018年9月のマイチェンで、昨今のキャンプブームをいち早く取り入れ、アウトドアグッズをたくさん積むことができるように3列目シートレスとした2列シート5人乗りグレードの「FUNBASE(ファンベース)」を追加している。さらに2019年10月には、特別仕様車「GLAMPER(グランパー)」を追加。この特別仕様車の効果はバツグンで、2019年のシエンタの販売台数は、前年に対し18%も伸び、フリードを突き放すことに成功した。
現行シエンタも、アウトドア向きデザインに近く、この手のコンパクトカーを希望する顧客の琴線に、大いに触れていることだろう。
■後席居住性が抜群
現行シエンタはまた、2列目空間が異常に広い。もともと広かった先代から80mmも拡大され、室内高も1300mmと高く、車内の解放感は抜群で、車内の移動もしやすい。
そしてなんといっても、後席両側のスライドドアの使い勝手は、一度手にしたら手放せなくなる便利さ。ヒンジドアでは難しい、狭い場所での乗り降りも、スライドドアなら難なくこなせるし、ドアパンチの心配もない。
シエンタでは、両手が塞がっていてもオープンできるハンズフリーデュアルパワースライドドアも備え(Zグレードに標準装備)、さらには330mmという低いフロア地上高と、パワースライドドア開口部高さが1200mmもあることで、さらに乗り降りがしやすくなっている。子供や老人が乗るときに掴みやすいリアアシストグリップや、後席用サンシェードなど、細やかな装備も地味にうれしいポイントだ。