「水泳の授業が始まって2週間ほど経ちますが、ついに担任に伝えなくてはいけなくなったんです。でも、やっぱり言いづらくて」
体育を見学する場合には保護者からの理由説明が必要なのだそうで、「体調不良」と連絡帳に書いて持たせると、担任は娘に対してどこが不調なのか聞いてきたという。
娘が口ごもると、教員は何かを察し、「わかりました」と答えた。娘は帰るなり「地味にバレたんだけど」と不貞腐れていたという。
「水泳は特にそうなんですが、体育の授業については女性教員に担当してほしいというのが本音です。娘は水着姿もさらしたくないと言ってます。わがままかもしれませんが、胸が膨らんできたことが気になって仕方がないんですね。
プールの授業を複数クラスかで合同で行うことができれば、先生の人員的にも何とかなるのかなあと。女性教諭なら、生理で見学したい子も先生に言いやすいと思うんです」
最後に話してくれたことが、恐らく靖子さんが今回最も訴えたかったことなのだと悟った。
生理については、厚労省がどれだけ「職場や学校で男性に理解を深めてもらうことが重要だ」と呼びかけたとしても、現場ではなかなか難しいのが実情だろう。
大雑把ではなく、きめ細やかに幅広い世代の女性の声を拾い上げ、丁寧に策を講じる必要があるのではないだろうか。
取材/文 中小林 亜紀
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