『太陽がいっぱい』に学んだ、赤峰流サマーリゾートスタイル
日本の服飾業界の重鎮として活躍している、ファッションアドバイザー・赤峰幸生氏。
Instagramのフォロワーは3万5000人超、服飾のみならず、アートや歴史の分野にまで及ぶ博覧強記で、老若男女を問わずたくさんの方々に支持されています。
そんな赤峰氏が語る、誰も教えてくれなかった「紳士服の教科書」。
夏といえばポロシャツ、ポロシャツといえばラコステですが、普通に着るだけでは「オジサン感」を消せません。
今回は、赤峰流サマーリゾートスタイルで、オジサン感を消していきます。
カジュアルスタイルの原点は、欧州の貴族階級の出で立ち
not casual but class sport styles──
私たちはスーツやフォーマルの“ドレス”に対して“カジュアル”という言葉をよく使いますが、日本では「カジュアルウェア=略式・簡略=自由でなんでも許される」と解釈されていて、本来のスタイルのことは分かっていません。
カジュアルを「だらしなくてもいい」と解釈している人までいますが、英国やフランス、イタリアなど欧州の人は、休日の服装を“スポーツスタイル”として捉えていて、その原点は、貴族階級の出で立ち=クラススポーツスタイルです。
クラススポーツはいわば「貴族の暇つぶし」です。
テニス、ヨット、ゴルフ、ポロ、スキー、ドライビング、ハンティングなど、貴族が暇つぶしで楽しむスポーツ毎にふさわしい服装があって、それぞれにスタイルがあります。
これからは、カジュアル=スポーティと捉えて、大人の夏のスタイルを考えましょう。
何にでも合うオールマイティなポロシャツは、白の長袖と半袖
サマーリゾートスタイルの代表的なスポーツといえば、SWIMMING(スイミング)とYACHTING(ヨッティング)です。
ヨーロッパ人のバカンススタイルに欠かせないのはポロシャツで、ビジネスでは白シャツが定番のように、リゾートではラコステのポロシャツが軸になります。
ポロシャツには長袖と半袖があって、日本人には半袖のイメージが強いですが、欧州の夏のスタイルでは長袖(ロングスリーブ)が大きな意味を持ちます。
袖口のリブがクタクタに伸びてしまうほど、袖をたくし上げて着るのがカッコイイので、ぜひ今年の夏に真似をしてみてください。
ポロシャツの上にはカーディガンやパーカーなどを羽織って、下は水着やショーツを穿くのがサマースタイルの定番ですが、私は50年かけてラコステのポロシャツがこれだけの枚数になってしまいました。
海のスタイルがいかにカッコイイかを学んだ最初の映画とは
私がまだガキの頃、アラン・ドロンとモーリス・ロネが主役の映画『太陽がいっぱい』(1960)が封切られました。
この映画を観て、サマーリゾートスタイルにハマってしまい、特に海のスタイルがいかにカッコイイのかを学んだ最初の映画で、私のサマースタイルの原点です。
それからラコステのポロシャツの色を揃えるのが始まって、夏といえばトリコロール(赤・白・紺)、この3色でスタイルをどう作っていくかがスタートしました。