持ち直していたS&Pが5月29日に再度下落傾向の動きを見せ始めた。退職後は日中の時間が長い。特にAさんにとって前場の始まる午前9時と、1日の終値が出る15時付近は、時が止まったような感覚を得る。
このとき債務上限問題は解決の動きが濃厚となりつつも、最後の紆余曲折が懸念されていた。しかし、事態は好転する。6月に入り完全な右肩上がりに変わった。Aさんは奥様に相場を見せ、夫婦でふと一安心した。Aさんは株式相場はもちろん、奥様の堂々たる経過観察力にすべてコントロールされていたのではないかと振り返っていた。
物事に絶対が無いように、投資にも絶対はない。とはいえ世間はインデックスなら安全だ。パッシブ運用(インデックスファンドのように指標を基準とする運用方法)なら安全と繰り返す。それはあくまでも平時の話で、債務上限問題などイレギュラーな事態になれば異なる相場推移も起こり得る。Aさんは後日、このように振り返った。
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