AさんがS&P500を購入したのは、2023年5月10日だった。その後、同銘柄は上昇と下降を繰り返す相場推移を辿る。ノーリスク!と伝えた奥様に、とても見せられる推移ではなかった。特に5月22日から数日間の落ち込みは、Aさんも気が気ではない日々が続いた。どこまで下落は続くのだろう。奥様に念を押された、ノーリスクだよね?の言葉が頭のなかで繰り返される。
さらに運の悪いことに、下落真ん中の5月24日、なんとなく家族でつけていた経済番組で、「S&Pも暴落の危険性があります」という報道があった。奥様は、無反応で応じた。
インデックスは長期投資の代表格だ。一時的に下がっていても、長期的に見れば上昇傾向が戻る可能性がとても高いことは間違いない。ただAさんは率直に自分のインデックスファンドへの理解がリスクが低いという良い面だけだったことを打ち明け、奥様に経過観察を懇願した。
ここでインデックスが落ちるなんて聞いてないよ!と開き直ったり、機嫌を悪くしていたら、大騒動となっていた。
奥様は老後資金に大切な退職金だったことは前提に置きつつ、「まあ、あなたが稼いだお金だからね?と自分に言い聞かせ、「もう少し待ってみましょう」と和解交渉が始まった。
取り合えず奥様の理解は得た(多少思い込みかもしれないが)。次の長期戦は、S&Pが持ち直すのを待つばかり。意外にも早く反転攻勢の機会が到来した。
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