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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「あの子、また家にいるよ」24時間、365日位置情報をさらし続ける子供たちの、大人にはわからない視点。

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仕組みがわかっても、麻衣子さんにはそれを利用する子どもたちの気持ちは理解できなかった。

「だって、どこにいるか知られたくないこともあるでしょ? というか、私ならどこにいるのかを始終誰かに知られているのは嫌です。まるで監視されているような気がしてしまって。それは、私が大人だからかしら。でも、ねえ……。」

いくら聞いてもよく分からないという様子の麻衣子さんに、

「高校生たちが『居場所はずーっと公開にしなくても大丈夫。どこにいるのかを知られたくない時は「ゴーストモード」が使えるから。』って教えてくれました。ゴーストモードには大まかな居場所しか公開されない『あいまい』モードというものと、ある一定の場所で固定してしまう『フリーズ』モードというものがあるのですって。でも、そんなことをするくらいなら、そもそも位置情報を公開しなければいいじゃないかって思いません?」

麻衣子さんは少し笑いながら首をかしげる。どんなに説明されても位置情報アプリの良さがわからないというのが麻衣子さんの率直な意見なのだ。

「いろいろ聞いてみると、今の子どもたちの特徴というか弱点というか、そんなものまで見えてきた気がしました。」

麻衣子さんはそう言葉を続ける。

「今の子どもたちはコミュニケーションに対して過剰に神経質なのかもしれません。『今どこにいるの?』とか『これから一緒に遊ぼうよ。』などと誘いをかけて断られることに対して怖いというか、とても嫌だと思っているようです。

『Zenlyがあれば遊べる場所にいるかどうかや誰と一緒にいるかがわかるから、断られて無駄に傷つく必要がない』と話す子どももいました。Zenlyは、使っている友だち同士が2人以上一緒にいると、炎マークが表示されるのだそうです。『LINEする前にZenlyでどこにいるのかを見て、家にいたら暇かもなと思う』という子もいました。

あとは、説明能力が著しく低下しているというのも今の子どもたちの特徴かも。

もちろん人によるでしょうけど、『自分の今いる場所がどこかを、LINEとかじゃ上手く説明できないし、見た方もわかってくれないから、Zenlyがないとやっていけないよ。』という子もいました。確かに今の子たちは、感動するものや美しい景色も写真や動画に撮って他人に見せるので、自分の目に映っているものを言葉で説明することに慣れていないのかもしれません。話を聞けば聞くほどに、位置情報共有アプリというのは『今の子どもたち』だからこそマッチしているものなのだと思いました。」



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