反発したミサキだが、マコトの頼みは断れなかった。
ミサキは結局、マコトの友人、彼女の夫になる男に会った。男は女性に免疫がないのか、ミサキと目を合わせようともしない。見た目はさえないが、身につけているものからして、かなりの高給取りのようだ。
気まずそうにしているマコトの友人と、ミサキは持ち前のコミュニケーション能力ですぐに打ち解けた。帰りには連絡先を交換し、次のデートの約束もした。
「彼がすすめるだけあって、なかなかいい男だよ。金持ちだし。でも、家庭や恋愛には興味ないみたい。ひと目見た瞬間に、彼がどうして私に旦那を紹介したのかわかっちゃった」
「どういうこと?」
かろうじてそれだけ聞くと、ミサキはあっけらかんと言ってみせた。
RANKING
1
2
3
4
5
2
3
4