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CAR Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

トヨタハイエースはマツダの○○。実は中身はほぼ同じ。人気OEM車をチェックする!

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説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

双子車無双。ハイエースよりボンゴ? アルトよりキャロルが魅力的?

OEM(オー・イー・エム)とは、「Original Equipment Manufacturere」の略。ザックリ訳せば「本来の製品製造業者」となります。自動車業界では多々あるものの、例外を除けば大手スーパーのPB(プライベート・ブランド)商品とは異なり、レシピやパッケージの内容量を変えてコストダウンを図るようなことはありせん。

なぜ自動車業界でOEM供給が発生するのか? とくに商用車や軽自動車でこの事例が多いのですが、相応に需要があるとはいえ、軽自動車などは国内専売モデルです。普通車が主力の自動車メーカーから見れば、もし軽自動車の自社開発をやめればその分のコストを市場規模の大きなグローバル販売車の開発に資金を回せますし、電動化など急務の課題に人員を配置できます。

例えばトヨタの人気商用ミニバンである『ハイエース』。このクルマの供給先であるマツダにいくと『ボンゴブローニイバン』(トップ画像)に早変わり。トヨタほど販売バリエーションは広くないのですが、その違いはもはやエンブレムのみ。基本的な装備内容など比較し、欲しいモデルが両ブランドと共通するのであれば、相見積もりをとって、価格や金利、総支払額、納期など比較検討し、オトクな要素を見極める方が賢明です。

ちなみに、トヨタの『プロボックス』はマツダの『ファミリアバン』であり、人気軽トラックのスズキ『キャリイ』はマツダの『スクラムトラック』というOEM供給の関係性です。

ただし、丸々同じかといえばそうでもなく、『スクラムトラック』にはロングキャビンの『スーパーキャリイ』に相当するモデルはありません。

さらに実例を上げましょう。昨年12月10日にフルモデルチェンジを果たした軽自動車スズキ『アルト』。このモデルがスズキからマツダへ供給されると『キャロル』になります。発売日こそ12月23日と後出しながら、『キャロル』というクルマはマツダ自社生産時代の1962年から歴史があり(アルトは1979年誕生)、いまでも相応に知名度は高いのです。メーカーや車名のエンブレムが変わればそのイメージは激変します。

主要ラインナップを比較すると、『キャロル』にも話題のハイブリッド車が用意されていますし、ガソリン車のエントリー価格は99万8800円(2WDのCVT)と同額で、さらに充実装備のアップグレードパッケージが両モデルとも装備可能です。基本性能が同じならマツダから買うか? スズキから買うか? ボディカラーの選択肢など考えると、意外と悩ましい選択なのです。

クルマのデキは同じ。そうとなると、ブランドイメージが大切です。多くの人々が抱くブランドイメージは、おそらく、トヨタ>マツダ>スズキという格付けじゃないでしょうか。トヨタの軽自動車はグループ傘下のダイハツから供給を受け販売されています。また、トヨタと資本関係を結ぶスバルの軽自動車はいまやダイハツ製です。

エンブレム違いのOEM供給車は、いわば双子の兄弟車。装備内容や価格など検討要素は多々ありますが、整備や修理を考えれば、ご自宅や勤務先の位置関係、販売店の対応を考慮し購入先を決めるのもアリかと思います。

一方、アライアンスパートナーとはいえ日産と三菱ではクルマづくりが異なり、単純なOEM供給とは異なります。軽自動車に関していえば、両社は開発段階からタッグを組み、できたクルマはデザインから違います。こうなるとクルマそのものの魅力が生じて顧客が被ることはありませんね。数年後の下取り価格も相応に人気に比例するでしょうか。

従来の垣根を超えた自動車メーカーの協業は今後さらに加速し、様々にOEM供給モデルを誕生させることでしょう。また、同カテゴリーでライバル視される比較検討モデルがコレに該当するケースも増えます。コンシューマーである私たちも賢く立ち回りましょう。

Text:Seiichi Norishige



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