まずは一度、己を見つめ直してみましょう
★★★
ようこそ お越しくださいました
ここは繁華街にひっそりと佇む
『純喫茶ぺぺ』
昭和レトロでどこか懐かしさを感じる
恋に迷える大人達のユートピア
ここは純喫茶の雰囲気を大切にしており
一風変わった店主が
お客様をイメージした珈琲カップの代わりに
お悩みにぴったりの「恋のナンバー」を
硬派にお出ししております
刺さりすぎて気絶なさらないよう
お気をつけくださいませ
どうぞ 最後までおくつろぎの上
ゆるりとおたのしみください
純喫茶 ぺぺ
★★★
本日のお客様は、
僕の悩みは、自分の好きな人には好かれず、いつも正反対のメンヘラ系女子に好かれてしまい、付き合っては別れてしまうことです。
かといって、好きな女性の前では緊張し告白する勇気もなく、いつまでたっても自分の理想の女性と付き合えません。
どうしてでしょうか?
──屁理屈ソクラテス 自由人(31)
屁理屈ソクラテスさん、ご来店ありがとうございます。
今回の「好きじゃない人からは好かれるのに、好きな人には振り向いてもらえない」というお悩みは、結構周りでもよく聞くお話ですね。
誰かに好かれるのは喜ばしいですが、興味のない相手からひたすら言い寄られても困りますよね。
いつまでたっても「好きな相手」と付き合えないのであれば、色んな角度から分析してみるのは良い機会ですね。 その原因も一緒に考えてみましょう。
自己肯定感が低い場合
まず、好きな人の前で本来の自分を出せないというのは、「自信のなさ」から来るものだと心理学的には言われています。
同様に、好きな人から好意を寄せられているにも関わらず、「あの人に好いてもらえる訳がない」と思い込んでしまい、チャンスに気づかないまま勝手に試合終了してしまう場合もあります(気絶)。
いずれも、自己肯定感が低い状態で、「自分を好きになれない人は、他人に好かれない」という傾向があるのかもしれません。
自己肯定感なんて言葉を持ち出すと、少し堅苦しいので、飲食店に置き換えてみましょう(気絶)。
例えば、料理を作るシェフが、自分のお店の味に自信を持っていないと、その先のお客様を感動させられないと思うのです。
「うちの店の料理は美味しくないけど、どうぞ召し上がれ・・・」という具合では、誰もお店のファンにはなってくれません(気絶)。
まずは、他人に好かれたいという気持ちよりも、自分自身がお店の料理を誰よりも美味しいと思える「自信」が必要なのかもしれません。
ですので、いつ好きな人が目の前に現れても良いように、普段から愛せる自分でいられる努力が、まずは重要だと思います。
好きな服と似合う服
そして、毎回のように「好きな人にモテない」ということですが、そもそものゴールはそこで良いのか?という疑問もあります。
「自分が描いている理想の自分」と「本来の自分」との間にギャップがあったりはしませんか?
これって、自分にとって「好きな服」と「似合う服」が違っているのに、ひたすら理想を追い続けるので永久にマッチングせず、独りで迷宮入りしている状態のようだなと思いました(気絶)。
自分の「理想の人」を追い求める人生も、浪漫があって楽しいと思います。
だけど、本当に「自分に合った人」に出逢うと、人生がより豊かになることもあります。
両方を取るのは至難の業ですけど、自分の好きなスタイルを貫いて、その個性を愛してくれる一人に出会えたら最高に幸せですね。
まずは、「理想の人」を求め続けるのか、「自分に合った人」を探すのか、あらかじめ照準を見直すことも大事かもしれません。
試合をしましょう
最後に、「好きな人と付き合えません」という人に限って、自分から行動していない人が多いですね(気絶)。
目の前に好きな人が現れたとしても、自分からアプローチしなければ、何も始まらないのです。
「孫子」の兵法書の一節に、「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」という言葉があります。
敵も味方も情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないという意味です。
恋愛というのは、いわば一人の人間と向き合う「試合」。
誰かと向き合う時間というのは、相手を知ると同時に己を知ることです。
もし、毎回付き合う相手が、「メンヘラ女子だ」という謎のお悩みがあるのであれば、一度、己を見つめ直してください。
いつも同じことを繰り返すのであれば、きっと相手にそうさせてしまう「自分のパターン」というものが存在します。
そのパターンを見直すだけで、恋愛の一手が変わって来ると思うのです。
その為にも、まずは負けを恐れず試合に出て、沢山の戦歴を重ねてください。
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【お答え】
いつも理想と違った方向に進んでしまうのであれば
自分自身のパターンを見直すのも大事です
恋愛の負け試合から学び 次の試合の準備をしましょう
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今回ご紹介するナンバーは、松田聖子さんの『チェリーブラッサム』です。
1981年1月に発売されたシングルで、名前は春を思わせる「桜の花」 ですが、ジャケットは「桜色」ではなく「蒼」かったのが印象的でした。
当時のプロデューサーが、ヴィヴァルディの『四季』をイメージし、明るい春に向けて未来が開けていくようなイメージで曲作りをしたそうですが、歌詞には 「桜の花」 は出てきません。
しかしながら、きちんと桜の姿を届ける、歌手 松田聖子という儚さと潔さを感じる素晴らしい楽曲です。
筆者がこの楽曲を選んだ二日後、こんな日がやって来るとは思いもよりませんでした。
どんな時も聖子さんの歌声は、私達を宇宙の様に優しく包み、空高くまで連れて行ってくれます。
何もかもが晴れやかに伸びやかに、真っ直ぐ進んで行くような聖子さんの美声と共に、いつか貴方の恋がうまく行きますよう、お祈り申し上げます。
“夕日は今 夜のために
水平線 沈むのよ
私は今 愛のために
激しい風 吹かれて
何もかもめざめてく新しい私
走り出した船は ただあなたへと続いてる
”
「チェリーブラッサム」
歌:松田聖子. 作詞:三浦徳子. 作曲:財津和夫
参照:『Uta-Net』
お客様、選曲はお口に合いましたでしょうか?
またのご来店、心よりお待ち申し上げております。
純喫茶 ぺぺ
Photos:Yuta Takamatsu, Shuhei Kato
Text:RIKAPEPE(ペペ)
Illustration:Eri Sakai